天気は上々、久々の土日連休とあって、「奈邪」へ
出掛けることにした。
カミさんはオカリナの会で遅くなるので、娘と一緒に
行くことに。
娘はあまり外に出たがらないタチなのと、車酔いをするので、
なかなか外に出る機会がない。この際、虫干しのつもりでと
打診すると、OKだったので、酔い止めを飲んで出掛けた。
普段父と娘というのは、そんなに会話が多いわけではないので、
片道2時間かかる「奈邪」への道すがら、娘とのよもやま話も
いいのかもしれないと思ったのと、「奈邪」には大事な
忘れ物があったのである。
あれやこれやとりとめのない話をしているうちに「奈邪」
へ着いてしまった。
久しぶりのつもりだったが、23日ぶりで、まだ1ヶ月たって
いなかったのである。展示作品は同じドライフラワーのリース
で、きれいに並べ替えられていた。
カミさんと違う女を連れてきたというので、マスターも一瞬
「ム・ム…」と思ったらしいが、すぐに雰囲気で娘と察したようである。
当然私がそんなにモテルわけもない。(ちと…残念ではあるが)
「Kさん時間あるの?」とマスター。「ありますけど」
「だったらビールを一緒に飲みませんか、帰りは娘さんに運転してもらって…」
「エ…」私の喉はゴクリと鳴った。
このゴクリは呑みたいのゴクリと、呑めない悔しさのゴクリだったのだ。
悲しいかな我が家の女たちは、妻にしろ娘にしろ免許を持っていないのである。
今時まったく運転に興味がないのだ。まあ…彼女らの運転する車に
乗る勇気はないので、それはそれでいいのであるが、こんな時のことを
思うと「あ~あ」と、ちょっとため息が出てしまう。
しかし酔っ払い運転をするわけにはいかないので、ビールは涙をのんだ。
「ところでマスター…」忘れ物の話をすると、「あ…あれね」とすぐに
取り出してくれたのは、先月まで作品を展示していただいていた時に
店の前に表示してもらっていたポスターなのである。
通常展示のポスターは作者自身で作る場合が多いのだが、これは
マスターがパソコンを駆使して作ってくれたものなのだ。
正直以前私が作ったものよりはるかにセンスがいいので、展示が
終わったらいただける約束をしていたのである。
「どうぞ」とマスターが持ってきてくれた。
サイズはA3より一回り大きくて、ちょっと厚めである。
「これこれ…」やっぱりなかなかいい。娘にも自慢げに見せる。
娘もポスターの絵が本物より色合いがいいと笑っていた。
「これ…書いたんだけど、まだ出してなくて…」とマスターが
引き続き差し出したのは、一枚のハガキである。「?」と
見せてもらうと、絵手紙ではないか、鯉幟がスラスラとしたタッチで
描かれている。字は例によって達筆だ。わたし宛になっていて、
切手もすでに貼られていた。
これがなかなかうまい。普段自分は描きませんよってな顔(笑)
しているのだが、見事なウデである。
“能あるマスターはウデ隠す”って、これだから「奈邪」のマスターは
油断ができないのである。(笑)
「これいただいていいですか」「どうぞどうぞ」といただいた。
席へ戻って娘に見せると娘も感心していた。一応娘は漫画家志望で
普段から絵は描いているので、それなりの目は持っているのだ。(けっこううるさい)
「奈邪」を後にした帰りの道すがら、今度この景色は何時見れるのか…と
思いつつ、何だか「奈邪」を後にするたび何か忘れ物をしてきたような気が
するのである。あれこれ思いを巡らせても別にないようなのだが…。
それが何なのか…いまだわからず、豊川の山々は見えなくなってしまった。
またそのうち忘れ物を取りにいかなくっちゃあ…。
出掛けることにした。
カミさんはオカリナの会で遅くなるので、娘と一緒に
行くことに。
娘はあまり外に出たがらないタチなのと、車酔いをするので、
なかなか外に出る機会がない。この際、虫干しのつもりでと
打診すると、OKだったので、酔い止めを飲んで出掛けた。
普段父と娘というのは、そんなに会話が多いわけではないので、
片道2時間かかる「奈邪」への道すがら、娘とのよもやま話も
いいのかもしれないと思ったのと、「奈邪」には大事な
忘れ物があったのである。
あれやこれやとりとめのない話をしているうちに「奈邪」
へ着いてしまった。
久しぶりのつもりだったが、23日ぶりで、まだ1ヶ月たって
いなかったのである。展示作品は同じドライフラワーのリース
で、きれいに並べ替えられていた。
カミさんと違う女を連れてきたというので、マスターも一瞬
「ム・ム…」と思ったらしいが、すぐに雰囲気で娘と察したようである。
当然私がそんなにモテルわけもない。(ちと…残念ではあるが)
「Kさん時間あるの?」とマスター。「ありますけど」
「だったらビールを一緒に飲みませんか、帰りは娘さんに運転してもらって…」
「エ…」私の喉はゴクリと鳴った。
このゴクリは呑みたいのゴクリと、呑めない悔しさのゴクリだったのだ。
悲しいかな我が家の女たちは、妻にしろ娘にしろ免許を持っていないのである。
今時まったく運転に興味がないのだ。まあ…彼女らの運転する車に
乗る勇気はないので、それはそれでいいのであるが、こんな時のことを
思うと「あ~あ」と、ちょっとため息が出てしまう。
しかし酔っ払い運転をするわけにはいかないので、ビールは涙をのんだ。
「ところでマスター…」忘れ物の話をすると、「あ…あれね」とすぐに
取り出してくれたのは、先月まで作品を展示していただいていた時に
店の前に表示してもらっていたポスターなのである。
通常展示のポスターは作者自身で作る場合が多いのだが、これは
マスターがパソコンを駆使して作ってくれたものなのだ。
正直以前私が作ったものよりはるかにセンスがいいので、展示が
終わったらいただける約束をしていたのである。
「どうぞ」とマスターが持ってきてくれた。
サイズはA3より一回り大きくて、ちょっと厚めである。
「これこれ…」やっぱりなかなかいい。娘にも自慢げに見せる。
娘もポスターの絵が本物より色合いがいいと笑っていた。
「これ…書いたんだけど、まだ出してなくて…」とマスターが
引き続き差し出したのは、一枚のハガキである。「?」と
見せてもらうと、絵手紙ではないか、鯉幟がスラスラとしたタッチで
描かれている。字は例によって達筆だ。わたし宛になっていて、
切手もすでに貼られていた。
これがなかなかうまい。普段自分は描きませんよってな顔(笑)
しているのだが、見事なウデである。
“能あるマスターはウデ隠す”って、これだから「奈邪」のマスターは
油断ができないのである。(笑)
「これいただいていいですか」「どうぞどうぞ」といただいた。
席へ戻って娘に見せると娘も感心していた。一応娘は漫画家志望で
普段から絵は描いているので、それなりの目は持っているのだ。(けっこううるさい)
「奈邪」を後にした帰りの道すがら、今度この景色は何時見れるのか…と
思いつつ、何だか「奈邪」を後にするたび何か忘れ物をしてきたような気が
するのである。あれこれ思いを巡らせても別にないようなのだが…。
それが何なのか…いまだわからず、豊川の山々は見えなくなってしまった。
またそのうち忘れ物を取りにいかなくっちゃあ…。