愚ダメ記、真誤付き、思い津記

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黄砂

2021-03-30 | 日記

今日は黄砂が多いようだ。昨日も空が霞んでいて黄砂のせいかも知れないと思ったが、今日は空が黄色味を帯びていて明らかに黄砂のせいだと分かる。黄砂は気象現象なのでずっと昔から飛んで来ていたのだろうが、子どもの頃は空の色など気にしていなかったのか、今のようにニュースでいちいち報せていなかったのか、ほとんど気にした記憶がない。どこで聞いたか記憶は無いが、高校生から大学生の頃に黄砂を意識して空を見上げるようになった。

 なかでも記憶にあるのは、大学での授業中のこと。何気なく窓から眺めていた景色が、西側から急に黄色く霞んでいったことを覚えている。窓を通して見えていた景色の中を、突然、黄色い砂塵のベールがカーテンが引かれるように左から右へと進むのが見えた。まるで砂漠地帯の砂嵐のように、嘘のようなはっきりした黄砂の境界線が進んでいき、数秒前まで奇麗に見えていた緑の山を左端から黄色っぽい霞のベールで覆い隠して行った。その時初めて「ああ、これが黄砂というものか」と感動したが、それほどはっきりした現象にはその後出会ったことがない。

 黄砂は中国の黄土高原から巻き上がった細かい砂だと思い込んでいたが、最近になって、そのおおもとは中東の砂漠地帯から始まり偏西風に乗って来ると聞いて驚いた。またアフリカ・サハラ砂漠からの砂塵の方貿易風に乗り、大西洋を渡ってアメリカ大陸に達することもあるらしい。もしかすると、自分の車のフロントガラスに溜まった微粒子の中には、中東から飛んで来たものもあるかも知れないと思うと、不思議な気持ちになる。

 中東から中央アジアにかけての砂漠化には、人類による羊放牧の影響があるという説を聞いたことがある。それが本当なら、黄砂誕生には人類の影響が関わっていたことになる。様々な人工物が地球上に蓄積されていく現代、それに続く未来にはマイクロメートル単位に研磨されたマイクロプラスチックが砂の粒子に混じり、風に乗って地球上を飛び回っているのだろうか?