愚ダメ記、真誤付き、思い津記

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害獣の皮肉

2021-03-09 | 日記

オーストラリアで1億数千万匹(羽?)の害獣による被害が重大問題になっているという。100年前に人が持ち込んだウサギだ。持ち込まれたのは13匹というが、そのご6億匹まで爆発的に増殖し、大々的な駆除に努めた結果何とか1億匹台に押さえ込んでいるらしい。ところが、近年、温暖化による(?)降雨量の増加でウサギの餌となる草の育ちが良く、ウサギの数の増え方も加速しているという。作物を食べるという農業被害の他、都市部でも被害があるそうだ。もちろん数億匹まで増えれば、オーストラリアの生態系にも大きな影響を与え、”環境破壊要因” でもあるわけだ。

 オーストラリアのウサギ被害については以前から聞いていたが、13匹からでも爆発的に増殖するのだとしたら、これを撲滅するのはほぼ不可能な作業に思える。かと言って、ウサギの増殖を抑える目的で肉食の天敵を持ち込めば、今度はそれが別の生態系破壊へとつながる可能性が大きくなってしまう。番組のゲストから「結局、外来種をむやみに持ち込んだ人間の責任、人間が悪いのだ」と反省を込めたコメント。・・?・・「忘れてるのかも知れないけど、人間そのものが "外来種" よりよっぽど生態系を破壊して来た張本人だからね!」と思わず突っ込んでしまった。

 オーストラリアの在来種に言わせれば、きっと、「何言ってんの、もともと人間が来なきゃよかった。なのに人間がやってきて生態系をめちゃくちゃにした。最初に来たのは(アボリジニ)自然の中で調和して生きようとしていたから良かったけど、ずっと後から来た別の奴ら(同じ人間でも、他の動物から見れば見掛けも行動も全く異なる種に思えるに違いない)と来たら、やたらに森を壊して農場に変えるは町を造るは。かと思えば、大規模な土地の掘り返しで資源を掘り出し、毒をまき散らし、海や森の生き物まで食べ尽くしやがって、全く性質が(たちが)悪いったらありゃしない。」と言うに違いない。

 「それに比べりゃ、まだウサギなんて可愛いもの」と彼らは言うだろう。「人間達がとやかく言うのは、所詮、自分たちの邪魔をされたくないだけだ」と。そんな人間が「自身の手による生態系破壊」を棚に上げ、「外来種による生態系破壊」を嘆くとは皮肉なものだ。どこかの無人島のように、結局は「人間の立入り禁止」を掲げるのが生態系を守る最善の手段なのだから。