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選抜高校野球

2021-03-19 | 日記

選抜高校野球が始まった。一年前には開催か中止かで議論された大会だが、新型コロナ感染防止で様々なスポーツの大会が中止されて来た一年を経て、今回は文句なくその開催が決定された。とは言っても、新型コロナ感染防止がまず第一であることは変わらず、観客制限や開会式に参加全校の姿が無いなど、従来の様子とはかなり違った異例の大会となった。昨年中は春も夏も「甲子園野球大会」が中止され、いわゆる「甲子園での高校野球大会」は2年振りだ。見慣れた甲子園のスコアボードをバックに高校生投手の姿が映ると、「ああ、高校野球ってこうだったんだな」という感慨すら覚える。

 かつては地元の高校のチームを応援する気持ちだけで見て来たが、不思議と今日はそんな気持ちも無く、出場している全選手に対して「甲子園で野球が出来て良かったな」という気持ちが湧いてきた。彼らが思い切り投げて打って走る姿を見ていると、何となくほっと癒された気がした。スタンドにはおそらく関係者だけの少ない観衆しか居なかったし、応援にもかつての賑やかさは無い。しかし、選手たちのプレー姿を見るだけで、彼らの喜びと野球への思いが伝わって来る。

 高校野球中継を見ていて、東京オリンピックもこの様に淡々と進んでいく競技の中で選手たちの姿を通してスポーツの喜び楽しみと、競技に欠ける選手の純粋な思いが伝わる大会になればそれで良い、との思いが湧く。現状での開催は、技術的にも政治的にもかなりの困難を乗り越えなければならないと考えるが、もしそれを乗り越えられて開催できれば良いと願う。たとえ観客の制限で大観衆の声援が消えたとしても、現在の中継映像の技術ならば、競技や選手たちの素晴らしさが十分に伝わるだろう。いつか見たオリンピックの映画に、音を消した静けさの中でスタートプレートの釘を打つ陸上選手のハンマーの音だけが響くシーンがあった。見る者としては、そんなシーンだけで彼らの緊張や、その挑戦の素晴らしさを十分に味わえるに違いないと思うが、世界の人々はどうなのだろうか。