愚ダメ記、真誤付き、思い津記

日記?趣味?妄想?

袴姿と卒業式

2021-03-23 | 日記

昼を少し回った時間、時折り鳥を探しに行く公園の近くで歩道を歩く袴姿が見えた。公園内の道路に入ると、その一角のアリーナ前の芝生で色とりどりの袴姿があちこちにかたまって話している。ああ、大学の卒業式があったのかと思う。公園の桜は2分咲きくらい。それでも、おそらくここでは初めて大学の卒業式に桜が間に合ったわけだ。派手な袴姿の女子学生ばかり目立って、男子学生はどこにいるのか分からないほどだった。

  大学の卒業式に女子学生が袴を着けるようになったのは10年くらい前だったろうか。それまでは、着物姿だったように思う。さらに以前はドレスだったような気がする。自分たちの頃はもっぱらスーツが主流で、男子も女子も社会に出る一歩として初めてスーツを着る場となった学生も多かった。もっとも、女子学生の着物を着る場は卒業式や成人式よりも前にあったようで、正月の初詣には10代後半から20前後の晴れ着姿の女性がひしめき合っていたような記憶がある。

 今の大学生世代には日頃スーツやドレスを着る機会が増えた一方で、着物を着る機会は減り、ましては袴姿となると日常ではまず機会がない。卒業式だからできる類の装いなので一度は着てみたいという気になるのだろうが、ここにだけはかつてのバブル時代の名残りが残っているようにも感じてしまう。だが、これもあと10年続くだろうか?。袴姿の次にどんな装いが来るのかも、少々見てみたい気になる。日本の経済も伸び悩み、世界がエネルギー節約に向かう中で、もう一度スーツに戻って来るのかも知れない。

 たまに羽織・袴の男子学生が居たりはするが、ほとんどの男子は今もスーツである。男の装いはほぼ一定で、女性の装いの変化が世の移ろいを表しているのかもしれない。服装以外でも、時代を経ても代り映えのしない男に比べ、女性の振る舞いや生き方の多様化は著しいように感じる。今後もさらに女性の社会進出が進み、より変化に富んだ、楽しく感性豊かな世の中へと変わっていくことを期待する。