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終電時刻の切り上げ

2021-03-13 | 日記

今日から、首都圏のJR電車路線で終電時刻が早まったらしい。約60年振りの事だという。戦後の経済復興、高度経済成長の中で遅くなった終電時刻が、新型コロナ感染防止の自粛の波を受けて早くなるということになる。昨年オリンピックが開かれていれば、少なくともその期間は終電時刻がさらに遅く設定されていた可能性もある。さらに、飲食の時短の影響で、終電が9時10時になるなら分かるが、乗客が減ったというのが理由なら最終電車の時刻は据え置いたままで便数を減らす対応の方が理解しやすい。

 おそらく、終電から始発までの間の保線作業の時間に余裕を取りたいというのが実質的な理由なのだろう。首都圏ではその時間が少なく、その短時間の中で行われて来た老朽化や路線新設による駅の改造・レールの敷き替えなどは一大プロジェクトとしてテレビ番組で紹介されるほどだった。その時間的余裕の無さは、見ていても限界に近いと感じるところだった。保線作業員の労働条件の改善の問題などもあり、今後もその状態を続けることは安全性確保のためにも難しかったように思える。その時間的余裕は、今回の時刻切り上げでもせいぜい30分しか拡がらない。

 東京から離れて地方から見ていると、夜11時を過ぎても電車があること自体が良く分からない。家まで電車で1時間以上掛かる場所で遅くまで過ごすことにも違和感があるが、電車で1時間も掛かる場所に毎日通勤すること自体が異例なのだ。結局のところ、首都圏への人口集中が引き起こしている問題で、本気で解決するならば人口集中そのものを緩和・解消しない限り、本質的な解決は無い。高度経済成長以来、同じ方向に向かって走り続けた社会が、人口の分散・機能の他局化に向けて方向転換する転機に向かっているのなら良いが。