マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

風疹

2013年05月18日 | 診療
マキノ病院広報誌に「なんでもいい」ので原稿よこせとの無理難題を仰せつかりまして、
あれこれ思い悩んだ挙句、落ち着いたのがこのお話。

せっかくですのでこちらに先にあげておきます。

広報は6月1日付発行です。


(ここから)


風疹

首都圏などを中心に風疹が大流行となっています。
5月までの時点で去年1年間の総患者報告数の2倍をすでに超えている勢いとのことで、
流行のピークとなりやすい季節である6月に向けてより注意が必要です。

風疹は風疹ウィルスが原因で起こる感染症です。
潜伏期間は2~3週間程度で、発熱、発疹、耳介後部のリンパ節腫脹が主な症状ですが、
不顕性感染(感染しても症状がでないが、
周囲への感染力がある)も多いとされ、頻度は低いものの、
血小板減少性紫斑病や急性脳炎など重篤な合併症が起こることもあります。
不顕性感染を含め、軽症例も多く、確定診断の難しい感染症でもあります。

そして、一番問題になるのが、妊婦さん(特に妊娠初期)が感染してしまった場合です。
胎児も感染し、流産・早産のリスクとなるばかりでなく、出生時に先天性心奇形や
難聴・白内障などの重い後遺症がみられることがあります(=先天性風疹症候群)。

風疹に罹ってしまっても有効な治療薬はなく、対症療法で治るのを待つしかありません。
そのため、妊婦さんが感染しないようにするために、女性だけでなく、
周囲のみんなが予防接種により感染を防ぐしかありません。

平成18年度から年長児が2回目の麻疹風疹ワクチンを接種するようになり、
平成19年度から昨年までは時限措置として中学1年生と高校3年生にも麻疹風疹ワクチンの接種が
行われました。そのため、接種済みであれば感染リスクはかなり少なくなると思われます
(ただし接種していても感染することもありえます)。

年代によって予防接種がなかったり、不十分だったりする可能性があります。
昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性は特に注意。
昭和54年4月2日から昭和62年10月1日生まれの人は男女とも要注意。
昭和62年10月2日から平成2年4月1日生まれの人は、男女とも要確認。

定期接種に該当しない場合は自費接種となってしまいますが、大事なワクチンです。
成人であっても小児科でも相談もしますので、連絡いただければと思います。

ちなみに現在妊娠の可能性がある、または妊娠中の女性は接種できません。
また、ワクチン接種から2か月間は避妊が必要ですのでご注意ください。


(ここまで)


というわけですので、
1歳になったらすぐにでも1期МRワクチンを、
そして新年長さんも今すぐにでも2期МRワクチンを済ませておきましょう。


ちなみに恐る恐る調べてみたところ。。。
「特に注意」な世代のわたくしめの風疹抗体価は。。。激しく高かったです^^;

コメント (1)
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