マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

ロタウィルスワクチン

2011年10月07日 | ワクチン その他
ロタウィルスによる感冒性胃腸炎はほとんどの方がご存知かと思われます。
下痢して色が白っぽいと心配になるという声も聞くくらい。

嘔吐もそこそこ問題ですが、これでもかぁぁぁぁぁヾ(`Д´)ノ゛
というくらいの激しい下痢になることもしばしば。
オムツを通り越して、服もシーツも下痢まみれなんてことも珍しくもなく。

1日に20回とか下痢をすると、いくら飲んでもおいつきませんよね。
ロタの腸炎が仮性小児コレラとも呼ばれていた所以ですね。

嘔吐・下痢からの脱水が一番問題になるのは当たり前として、
「軽症下痢症に伴う良性けいれん」なんて長ったらしい名前のけいれんがみられたり、
稀には脳症を起こしたりと、なかなかやっかいなウィルスです。

毎年120万人!が罹患し、8万人!!近くが入院になっているなんて話も。
死亡例も年間10~20人程度とされます。

そのロタウィルスに対するワクチンが日本でもようやく接種できるようになります。
最初は11月にはと聞いていたのですが、年明け1月になるという話が聞こえ、
まだまだかと思っていたら、結局11月からに^^;
11月10日発売とのことです。
うちだと11月11日から接種可能になりますね。

残念なことに、対象は生後「6週」~「24週」までの赤ちゃんのみ。
この期間内に2回、経口接種します。
と言うことは、少なくとも生後5ヶ月未満のうちに1回目を終了しておかなければならないことに。
ある意味なかなかシビアなワクチンです。
兄弟が多いほど接種してほしいのに、兄弟が多いほど、月齢が小さいうちからよく風邪ひきますよね。。。
接種できるときが接種すべき時期ということです。

生ワクチンですので、他のワクチンの接種スケジュールがとても大事になります。
もはや同時接種を避けることは現実的ではなくなります。

そして一番大事な。。。
公費助成はもちろん当面ありそうにもないですね。
助成を待つのも不可能です。
待っている間に24週になっちゃいますね。

気になる接種料金ですが、まだ決まってないのですが、
少なくとも安くすむことはありません。
1回1万円は超えてくるかと思われます。

先にもお話したように、接種可能な月齢がものすごく制限されますので、
「今年はやめて、公費助成になったら来年とかに接種しようかな」ができないワクチンです。
乳児がより重症化しやすいのは当然ですが、毎年毎年1・2歳くらいだって入院率高いです。

何種類かのタイプがありますので、毎年かかったりしますし。
一昨年ロタウィルスの胃腸炎でびっくりするくらいの肝機能障害を起こした子は10歳でした><;
このワクチンは5種類のタイプに対応(感染の大半がこの5種類)だということです。

お金はかかりますが、生後6ヶ月までしか接種できないということも含めて考えてみて欲しいです。
 
ちなみに。。。
おなじロタウィルス用のワクチンがもう1種類申請中だとか。
こちらは3回接種する必要があるとか、これまたややこしいのですが、
いずれにせよ、待つ意味はまったくありませんので、お話だけということで。
そもそも、自費だと3回よりは2回で済むにこしたことないですよね。。。
コメント (2)
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