マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

同時接種についてもう少し

2011年05月17日 | ワクチン その他
実は今年の1月に日本小児科学会が同時接種についての考え方を公表しています。
要するに同時接種を推奨しますということだったのですが、
その後の3月にワクチン接種後の死亡例が問題となったため、
ものすごくタイミング悪かったなと感じていました。

結局同時接種についても問題なしとなりましたが、
同時接種についての不安を解消するまでは至らないでしょう。
基本はかわりませんので、参考までにお知らせしておきますね。


(以下コピー:一部改変)


日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方        日本小児科学会

日本国内においては、2 種類以上の予防接種を同時に同一の接種対象者に対して行う同時接種は、
医師が特に必要と認めた場合に行うことができるとされている。
一方で、諸外国においては、同時接種は一般的に行われている医療行為である。
特に乳児期においては、三種混合ワクチン、インフルエンザ菌b 型(ヒブ)ワクチン、
結合型肺炎球菌ワクチン(プレべナー)などの重要なワクチン接種が複数回必要である。
これらのワクチン接種がようやく可能となった現在、日本の子どもたちをこれらのワクチンで
予防できる病気(VPD: Vaccine Preventable Diseases)から確実に守るためには、
必要なワクチンを適切な時期に適切な回数接種することが重要である。
そのためには、日本国内において、同時接種をより一般的な医療行為として行っていく必要がある。

同時接種について現在分かっていることとして以下のことがあげられる。

1)複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、
それぞれのワクチンに対する有効性について、お互いのワクチンによる干渉はない。

2)複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンの有害事象、
副反応の頻度が上がることはない。

3)同時接種において、接種できるワクチン(生ワクチンを含む)の本数に原則制限はない。

また、その利点として、以下の事項があげられる。

1)各ワクチンの接種率が向上する。

2)子どもたちがワクチンで予防される疾患から早期に守られる。

3)保護者の経済的、時間的負担が軽減する。

4)医療者の時間的負担が軽減する。

以上より、日本小児科学会は、ワクチンの同時接種は、日本の子どもたちを
ワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為であると考える。


(ここまで)
コメント
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