みなりんの紀行文

写真とともに綴る、旅の思い出を中心としたエッセイ。
主に日本国内を旅して、自分なりに発見したことを書いています。

詩「法師温泉」

2008年01月05日 00時54分49秒 | 旅行記

「法師温泉」                                                          Dscn0518

浴衣姿の君が大きな神棚の前で佇む

八幡様、大黒様、恵比寿様、天照大御神、出雲大社、など

君は歴史が好きで弘法大師のゆかりの湯よなんて

少しは無口なってほしけれど良くしゃべるね

火鉢にフランス人と恋人が寄り添っていて

混浴にいたよ 僕たちはどうしよう

男女別に大きな風呂へ交替で入るけれど

明治20年代のイギリス人設計の湯広々してる                  Dscn0514

むこうの天城の湯から

白い雪をいただく山が見えたわ

そう君はなんども通い湯する

僕はすっかりいい湯でのぼせてしまった

昭和15年って三国同盟の結ばれた日よ

君は昭和館にしようか明治館にしようか                                     Dscn0531

それをすぐ歴史に結びつけるね

与謝野晶子の部屋や

若山牧水の部屋を見たがっていたね

また来ればいいじゃないか

法師温泉は木がふんだんに使われていて                                 Dscn0492

ほんとうに居心地がいい

廊下を歩くのも楽しみだね

薄暗い中で法師温泉に浸かった君は

満足そうに微笑んで帰って来た

木目はいいね                                                                                Dsc00471

畳も炬燵もいいね

僕たちが都会で失ってしまったものがあるね

君はいつも土地の人とよくしゃべる

みやげ物屋に何時間いたんだい

ちょっと面倒な女だね

椿山房で

時間がなかったわ                                Dsc00430

君は資料を丹念に見たがっていたけれど      

バスの時間がないよ

また来ればいいじゃないか

ミュシャの挿絵に似た

『明星』の挿し絵をつくづく眺めていたね

君も源氏物語を訳すのかい

そんなことを夢見たことがあったね                     Dscn0539

君は欲張りだから一箇所にじっとしていないよ

そんな欠点だらけの君だから

僕しか君を見てあげられないよ

教会があったよ

今度は見てご覧

また来ればいいさ

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