goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

あこがれのスグリ 「赤い実同盟」レポート

2005年07月22日 | 「赤い実同盟」


灯台もと暗し。
言葉通りのことがつい最近ありました。
あこがれの赤い実との嬉しい出会いをもたらしてくれた、「もと暗し」です。   

少年は、書物の世界を逍遥することで、見知らぬ世界のことを学びます。

年間を通して温暖な気候に恵まれた地、四国西南部の宇和島で生まれ育った少年には、どうしても出会えない植物がありました。
寒い地域に生育する植物たちです。

     白く煙るように咲くリンゴの花
     まっすぐに伸びたポプラの並木
     皮がむけるという白樺の木
     浜茄子の花と赤い実
     いちはやく春を告げるコブシの花
     香りの層が漂うリラの花
     歌に歌われた水芭蕉の花・・・

ざっと思い出すだけでもこんなにあります。

東京で生活するようになったことで、少年の日に夢想していたものとの出会いを果たしていきました。
東北の地を旅したことでほとんどのものには出会えましたが、長年叶わないものもありました。

そのひとつに「スグリ」があります。

少年とスグリとの出会いは、名前の最後にeが付く女の子の話が最初です。
腹心の友と森の秘密の場所にスグリを摘みに行くとか、その実でジャムやケーキを作るといった話には、悲しいかな、どうしても実感が持てませんでした。
外国の話だし、雪の積もる地方のことだし、少年を取り巻く世界とはまったく違うのだから、しょうがないこととは思いましたが、以来小さな赤い実には、あこがれを持っておりました。
日本語らしくない響きをもった「スグリ」は、魔法の言葉のように焼きつきました。

スグリとの出会いは、日常の場で唐突にやってきました。
花屋の店頭で、初めての出会いをしました。
枝物の花材として、小さな赤い実を付けたスグリがバケツに立てられていたんです。
20年くらい前になるのかな・・・

「これって、スグリですか?」と、考えもしないで口をついて出た言葉に、自分で驚いてしまいました。
何十年も忘れていたスグリという単語が、使い慣れた日常語のようにすんなり出てきたものですからね。
画像などでも見たことはなかったのですが、何故だか見た瞬間にわかりました。
不思議な出会いでした。
その後も季節になると、花屋で見かかることはあったのですが・・・

それがなんとです、goro’sが入っているビルの前、有名なおでん屋さんの軒先の植栽のなかに、この赤い実があったのです。
店の前とはいっても、この通りは滅多に通りませんのでね、赤い実が目に飛び込んできたときには、興奮しましたよ。
道行く人には聞こえなかったはずですが、快哉をあげておりました。

店に取って返し、カメラに収めたのがこの写真です。  

       

ルビーに例えられる、透明感のある小さな可愛い赤い実です。 
葉の陰にぶら下がっておりました。

すぐ側にあったシアワセに、しばし浸ってしまいました。

これで楽しみがまたひとつ増えましたよ。

そうです。
來春は、スグリの花がみられることになりそうです。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わかってました (悟郎)
2005-07-28 03:09:36
PanPanさんが、最後にeのつく女の子のこと好きなの、お見通しでしたよ。

わかりますよ。

こちらも、伊達に彼女と付き合ってませんからね。

腹心は、匂いでわかるのです。



赤い実、まだまだありますよ。

すぐアップします。
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素敵、素敵! (PanPan)
2005-07-28 00:10:23
悟郎さん、うらやましー。

PanPan、最近全く収穫なしです。うー、そろそろ赤い実パワーが必要な時期なのにー。



来年の春、楽しみですね。

そう、最後にeのつく女の子の料理集、持っているので何か作ってみようかな?彼女の想像の世界は昔からの憧れでした。
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