goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

可憐な七変化

2007年11月09日 | 07 花たち



【ミゾソバ・溝蕎麦】タデ科
こちらがマイ花マップ登録の、白花です

4回目の多摩川行の最大の成果は、ミゾソバに出会えたことです。

マイ花マップにもミゾソバは登録されておりますので、無理なく出会うことが出来ますし、登録済みのミゾソバは白花だったので、ピンクのものにも出会ってみたいなと思っていたところ、今年はそれも叶いました。
そろそろ紹介しようかなと、写真も整理選択し、資料もチェックし、あとは記事を纏めるだけだったのです。
ところがです、多摩川でミゾソバたちに出会ったことで、にわかに身辺があわただしくなってしまいました。
1からの出直しです。
嬉しい悲鳴ではありますが、作業の煩雑さは否めません。

まず最初にひとこと。

ミゾソバの花で、花びらに見える部分は萼です。花弁の無い植物なんです。
ミゾソバに限らず、先に紹介したサクラタデもオオイヌタデもミズヒキもそうです。
花弁の無いことが、タデ科の植物の特徴のひとつということになります。


さてさて、ミゾソバは「花の色や濃さには様々な物があり、ほとんど白色に見える物から全体が淡紅色の物まである」ということはわかっておりました。
ネット画像でも、美しい花色を見ておりましたしね。

まさに多摩川で出会ったミゾソバたちが、花色の多様な変化を見せてくれました。
マイ花マップや先に出会ったピンクのミゾソバにも参加いただき、撮影地も明記して、花色の違いをお見せいたします。

どこが違うの?同じじゃないのって思われる画像もあるかもしれませんが、実際に見て、少し違うなっておじさんの目に見えたものアップいたします。


①白花  (多摩川)

  

  

ぽっと見、白花にしか見えないのですが、アップにすると蕾の先端に薄っすらとピンク色が差しています。
極初期の蕾は、先端が緑色です。
開花すると、純白ともいっていいような花色です。

②薄っすらピンク  (玉川上水)

アップ画像だと①との差がわかり難いですね。
①とは逆で、ぽっと見が薄いピンク色に見えます。
開花すると、かなり白っぽくなります。

③ピンク  (多摩川)

  

この色合いだと、白花との差がはっきりしてきます。
開花してもピンク色を主張しておりますからね。

④濃いピンク  (玉川上水)

これはもう説明の必要ないですよね。
この花色こそ、ミゾソバの色だと思っていらっしゃるんじゃありませんか?
ミゾソバをネット画像検索すると、こちらのものが多いです。
群生してると素敵でしょうね、可憐さと華やかさが同居してて。

以上がおじさんの知ってるタイプのミゾソバたちです。
白を基調に、先端がピンク色の濃淡のバリエーションですからね。
この後お見せするものは、まったく違うタイプのものです。

⑤  (多摩川)

  

ね、違うでしょう?
①~④までは、いわば淡彩ですが、こちらだと花色に強さがあるでしょう?

基調色が白じゃないのですよ。
蕾をよく見ると、グリーンぽく見えます。
そこに濃い赤系の色が加わって、小豆色というか、暗めの濃いピンクというか、微妙な花色です。
開花しているのを見ると、ピンクバージョンではあるんですけどね。

③とのコラボです。

⑥  (多摩川)

  

  

こちらもまた変わってますでしょう?
基調色がピンク、それもサーモンピンクっぽい色調です。
若い蕾の先端は、緑です。
開花すると、全体がピンク一色ですしね。


いやはや、驚きです。
ミゾソバには花色のバリエーションがあることは分かっておりましたが、こんなに多様な花色があったとはね。
⑤⑥のミゾソバは、おじさんが持ってたミゾソバへのイメージを、一変させていただきました。


画像数が多くて、ボリュームたっぷりの記事になっちゃったので、ミゾソバの生き残り戦略等については、またの機会にいたしますが、名前の由来は書いておきましょうかね。

湿気のある野原や、水田のミゾ・溝に繁茂すること、ソバ・蕎麦に似ていることから、ミゾソバ・溝蕎麦と名付けられました。
どこ似ているのかといいますと、花が、葉の形が、実が、全体の姿がと、それぞれが蕎麦に似ているという説が、各々のサイト情報では入り混じっております。

ミゾソバの実は、もともと飢饉のときの救荒植物(山野に自生する草木のうち、凶作その他非常の場合に、その果実・種子・地下茎・若葉などを食べることのできる植物)として、蕎麦の代用として食べられていたんだそうです。
そこから、畑地で栽培されるソバに対して、溝で育つので「ミゾソバ」と名付けられたという、まんまな記述もありました。

ウシノヒタイという有名な別名がありますが、それは葉の形が牛の顔に似ていることに由来します。
興味がありましたら、昨年アップしたミゾソバの葉っぱをみてください。

蕾の様子が金平糖のように見えることから、コンペイトウグサ・金平糖草と呼ばれることもあるようですよ。
こちらの名前だと、大きく頷けますよね。



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3 コメント

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素晴らしいです (ポージィ)
2007-11-09 10:17:58
お疲れさまでした。まとめられるの大変だったでしょう?
でもおかげで、ミゾソバのバラエティー豊かな花色の数々を
見せていただくことができました。ありがとうございます~
今年初めてミゾソバとの出会いを果たせた私が見たような
色合いのもちゃんと入ってますね。
サーモンピンクっぽいピンクが基調で蕾の先端がグリーン、
なんてのもあるんだぁ。他はどちらかというと清楚な可愛さが
勝っている気がしますが、この子は甘い可愛さと感じます。
多摩川にはいちばん濃い色合いのものもあったのですね。
これらの色合いの違いは何から生まれるんでしょう。土壌の違い?日射量の関係?いや、これだと隣り合っていながら
色合いが違うものはどう説明するかってことになっちゃいますね~

そうそう、花びら じゃなくてガクの形にも微妙な違いが
見られますね。ほっそりから丸みがかったものまで。
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流石! (noodles3)
2007-11-09 12:08:42
こうやって、地区別で見せられると納得ですね。

僕の環境だと、群生の中にバリエーションが存在するので、状態の良し悪しで撮影してしまいます。

勉強になります。

昨夜、というか今朝はごめんなさい。
だらだらと。
奇遇というかタクシーの運転手さんが、花マニアで家に着くまでず~っと花談義してしまいました。

2時間しか、寝てないっす。。。。。。
返信する
コメントありがとうございます! (悟郎)
2007-11-10 01:40:58
★ポージィさん

まさかこんな風なかたちでにミゾソバを紹介するようになるなんて、考えてもおりませんでした。
昨年までは、白花にしか出会っていなかったのですよ。
それが一気にやってきましたからね、今年は。
嬉しい悲鳴ではありましたが、纏め上げる作業には時間がかかりました。
よろこんでいただいて、ほんと有り難いです。

サーモンピンク系のミゾソバには、出会った瞬間小躍りしちゃいました。
よく出来ているというか、ドラマティックというか、最期に登場してくれたんですよ、直前がいちばん濃いミゾソバで。
筋書き通りの出会いでしたので、もう最高潮でした(笑)。
これもミゾソバなのかと、株をじっくり確認してしまいましたよ。
この色のものは、ネットでも見かけたことありませんでしたしたしね。
疑わしいことは何もなく、ミゾソバの特徴を全て持ち合わせておりました。
同じ可愛さでも、温かみのある可愛さですよね。人懐っこいとでもいいますか。

花色の変異は、どのようにして起きるんでしょうか?
そうなんです、ポージィさんの仰っているような生育環境の違いは、当てはまりませんしね。
自然交配を繰り返したことで、変化したんでしょうかね。
わかりません。

萼の形の違いも、見てとれますよね。
小さな世界にも、それぞれ個性がありますね。

★noodlesさん

遠く離れたところでは、同じミゾソバとはいっても、違った花色で認識しているのかもしれないってことが、よくわかりました。
こんなに花色のバリエーションがあるとは、理解はしてても、実際見てみないとわかりませんよね。
私自身、勉強になりました。

フフフ、大丈夫でしたか?
ハハハ、タクシーの運転手さんと花談義ですか。
長い道中、よかったですね。

睡眠不足は、週末で帳尻合わせてくださいな~~♪
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