あたり一面ハルジオンが咲いていることに、ある日突然気がつくことがあります。
東京のどの街にも、どこかかしこに期間限定の空き地が必ずあります。
(場所や季節にもよるとの断り書きは一応いれておきますが)更地になった空間にいちはやく進出してくる植物の代表格が、ハルジオンです。
ハルジオンは東京で見られる野草の王様、要するにどこにでもある雑草です。
それもほぼ通年。条件さえ合えば、真冬でも花が咲いているのを見かけます。
大きいものだと50cmを軽く越える丈になるので、余計厄介な雑草ってことになっちゃうんだろうね。
【ハルジオン・春紫苑】キク科
北米原産の帰化植物で、1920年頃日本にやってきています。
それも何かに紛れてやってきたのではなく、れっきとした園芸植物として導入されたんだそうですよ。
これって、ちょっと驚きの情報だと思いませんか?
園芸植物ってことはですよ、花壇などに植えられたってことですよ。
もちろん観賞用ですよね?
それが今じゃ花壇にでも生えようものなら、そこはあまり手入れがなされていないことの証明になり、管理しているかたの見識が疑われてしまうような存在になってはいませんか?
言い過ぎですかね。
秋にに咲くシオン・紫苑の花に似ていて、こちらは春に咲くからハルジオン・春紫苑と名付けられたそうですが、全然似てない!
昨年の秋に撮ったシオンの花をお見せしますね。
07/10/7撮影
【シオン・紫苑】キク科
ね、全然違うでしょう?
舌状花の形など、似ても似つかないですよね。
同じキク科ではありますが、花時期も含めシオンは「野菊のお仲間」です。
この花がハルジオンと名付けられたことには、疑問が残ります。
大正時代にやってきたので「タイショウソウ・大正草」、どこにでも生えているので「ビンボウグサ・貧乏草」「ビンボウバナ・貧乏花」などの別名もあるようです。
いくらなんでもビンボウグサは可哀相過ぎですよ。
確かにね、よくよく見ると可愛い花なんですよ。
園芸植物だった過去も、充分感じられるし、理解もできます。
ただしね、数がね、多過ぎ。勝手に生え過ぎ。
ハルジオンについて、あまりいいイメージを持っていないかのごとき文章を綴ってはおりますが、誤解無きよう言い分けしておきますね。
おじさんはね、好きなんですよ、ハルジオンもヒメジョオンも(両者の違いは、またいつかの機会に)。
昔はね、イマイチだったんだけど、この数年は群れ咲くハルジオンを好まし気で眺めております。
これは年齢とは関係無し、感性が成長したことにしておきます。
すっかりお馴染みのハルジオンですが、ここ数年の間に顕在化したことなんですが、気がついたことありませんか?
やたらピンクの花色のものが目立ってきています。
昔は、白花のものがほとんどで、たまにピンクのものを見かけることがありました。
ピンクとはいっても、2番目の画像のように蕾が薄っすらピンクで、開花しちゃったら白花にしか見えないようなものがほとんどだったと記憶しています。
それが今では、開花が進んでもピンクのままというハルジオンが目につくようになってきているんですよ。
赤の色素の無い(ように見える)純白のハルジオンに出会うのが、稀になってきています。
調べてみると、ハルジオンには変異が多いんだそうです。
白から濃いピンクまで、花色のグラデーションは多様です。
濃いピンクの花を咲かせるものを、「ベニバナハルジオン・紅花春紫苑」と呼んだりするそうです。
実はね、花色のことではく、別の変異をしているハルジオンに出会っちゃいましたよ。
分かりますよね、3種?のハルジオンが並んでいるのが。
手前がピンク。
奥が白花。
そして中央に・・・
黄花のハルジオン発見か?!
遠目には黄花に見えたので、慌ててブレーキをかけてマイカーを引き返したんですけどね。
ご覧の通り、黄花のハルジオンということではありませんでした。
キク科の花の特徴の周りを取り囲む舌状花が、ほとんど無いというか、短くショボショボしています。
コセンダングサ・小栴檀草にはよく見かけられる変異です。
「ハルジオン 変異」で検索してみましたら、舌状花のまったくない「ボウズハルジオン」にヒットしました。
ヒメジョオンの舌状花の無いものを、あの牧野博士が「ボウズヒメジョオン・坊主姫女苑」と命名しております。
「ボウズハルジオン・坊主春紫苑」は「ボウズヒメジョオン」に対比して、勝手に付けられた名前のようで、一般名かどうかはわかりません。
またあるサイトでは、全くの坊主ではない、こちらのように舌状花の短いものに、「アソカハルジオン」と名付けたとの記述があったんだけど、「アソカハルジオン」で検索しても、そのサイトしかヒットしませんでしたのでね、参照までということにしておきましょう。
そのサイトは無断リンク禁止だったので、興味のあるかたは「アソカハルジオン」で検索してみてください。
くどくど書いてきましたが、要するに面白いハルジオンに出会いましたよってことを紹介したかっただけなのです。
こちらのお方に出会って以来、数あるハルジオンを見かける度に、チェックを入れております。
まさかね、今更ながら、こんなにハルジオンに注意を向けるとはね。
でもね、どこにでもあるハルジオンですが、2番目の坊主には未だお目にかかっていないんですよ。
やっぱり珍しいのかな・・・
確かにシオンとは全然似てな~い! 笑
ノゲシも群生していますが、私はハルジオンヒメジョオンの
群生のが好きです~ いっぱい咲き乱れていたらワ~イお花畑だ!
という反応が起きます。(今、隣の空き地はノゲシ畑になってますが
ウドンコ病?発生と大量に飛ぶ綿毛がいまいちです)
そうそう。ピンクのハルジオン増えましたねぇ。どうしてそういう
変異が進むんでしょね?ピンクは何の影響下なぁ…
などと思いながら読み進んでまいりましたら、えぇっ!?
舌状花がないではありませんか。えーっ、こんなハルジオンが
できちゃったんですか。なんでかしら??
群生しているということはお互いの競争率も高いというわけで、
自分の方が目立つようにちょっとずつ隣の仲間と違う格好を
してみるようになった結果かしらん?
まずはピンク、次には白を取っ払って黄色だけでどうだいって。
いやまさかねぇ… 不思議です。昔っからこんな変異が
見られたんでしょうかね。
みなさん、仰るように群生している様子には、ハッとします♪
しかし、坊主?(センスないなあ)
そのまんまじゃん(笑)
あ、いまのところ全く見かけません。。ボウズ。。。。
こちらでも昨年より多く見かけられるんじゃないかと、そう思っていました。
あまりにも似ていないので、シオンの写真、載っけちゃいました~~(笑)。
寒い時期のノゲシの群生なら、頑張っているなと思ってみていましたが、今頃のノゲシは嫌ですね。
ウドンコ病? こちらでも見かけます。
明らかにピンクのものの勢力が優位ですよね。
ポージィさんも過去のハルジオンの記事で書いていらっしゃいましたよね。
日本にやってきたときはどうだったのかは知りませんが、もともとはどちらが優勢だったんでしょう?
私もびっくりでした。
記事を面白くしようとしてではなく、本心黄色いハルジオンかって、そう思いました。
まさか舌状花の退化したものだったなんて、驚きでした。
何故なんでしょう?進化の過程とも思えないし。
フフフ、目立ちたがり合戦の末、ですか?
どうしても他人と同じじゃ嫌だって、強く自己主張して、舌状花をなくしちゃったんですかね。
2番目の坊主に会ったら、訊いてみます(笑)。
ところがその2番目には、出会えないんですよね。
その都度チェックはしているんですが、見かけません。
検索でのヒット数もあまり多くありませんのでね、珍しい現象には違いないんでしょうね。
そちらでも勢力拡大ですか。
ピンクのものも、そこそこには見かけていたんだけど、ここにきて濃いピンクのハルジオンを見かけることが多くなっています。
確かにね、ひねりもへったくれもない、まんまの名前ですね。
ボウズハルジオンは正式名では無いかもです。
でもボウズヒメジョオンは、牧野博士が命名して、存在しているようですよ。
どこにでもあるハルジオンですが、やっぱりボウズは珍しいんでしょうね。