読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

名という漢字について

2008-04-16 09:10:18 | Weblog

「名」と言う漢字について「説文解字」のなかで許慎は「名は自ら命(ない)ふなり。口に従い夕に従ふ。夕なるものは冥なり。冥(くら)くて相見ず。故に口を以って自ら名いふ」と説明する。つまり夕暮れ時に顔もはっきりとは見えず、口で名を言う意だとするのである。白川静氏に言わせれば「許慎とも思えない俗説である。」と氏の著「漢字の世界1」(東洋文庫)で評されている。素人が考えても許慎の「名」の文字の成り立ちについての解釈はイージーに過ぎると思える。名の夕は肉の形象で祭肉を意味し、その下の口はサイと言う祝詞や祝辞を入れる入れ物である。卜文や金文にはこのサイを意味する口を含む字形が非常に多く、百数十文字も有るそうである。「名」は命名をし家族への加入を祖霊に告げる儀式を示した文字であると白川氏は説明されている。


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