校長が入学式で君が代の伴奏を音楽科の女性教諭に指示し、同教諭はそれを拒否したために戒告処分を受けた。その処分は思想、良心の自由を保障した憲法19条に違反するとして訴訟を起こしたが27日上告審は合憲と判断した。そこで思い出した話。君が代の詩は古今集や筝曲、琵琶歌のなかにも有り、古くから家々で祝いの言葉として使われていたらしい。徳川家の大奥で元旦に「おさざれ石」と言う儀式が有った。元旦早朝、大奥の廊下で御台所が石が三個入れられた盥の前に座る。反対側に中が居り「君が代は千代に八千代にさざれ石の」と詠うと御台所が続けて「いわほとなりて苔のむすまで」と言う。この儀式は他の大名の家にも有ったらしい。それが明治二年、イギリスからの貴賓を向かえる為の奏楽を急いで作る事になり、どさくさに紛れて軍楽隊のおかかえ音楽家フェントンが楽譜に取りやっつけ仕事で国歌の誕生となった。そんな話が司馬遼太郎の「歴史のふしぎさ」に出てくる。
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