読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

北朝鮮の金正恩一族の資金源を断て

2013-03-14 09:25:13 | 政治

wsj社説から

7日、北朝鮮西南前線の最南端に位置する長在島防御隊の監視所を訪れ、監視所から南側の陣地を視察する金正恩第1書記
国連安全保障理事会は先週、3度目の核実験を強行した北朝鮮に対し、8つ目となる制裁決議を採択した。しかし、今回の決議がこれまで以上にずっと大きな影響力を持つとみる向きはいない。今回新たに強化された制裁措置の下では、金正恩政権が海外で武器を売却し、支配層エリートのためにぜいたく品を入手することがやや難しくなるが、それでも同政権は同国のスターリン主義経済にとっての必需品を輸入するのに十分な外貨を稼ぐことができるもようだ。 しかし、オバマ米政権は望むのであれば、この制裁措置の一部を最大限に行使できよう。国連加盟国の銀行各行は北朝鮮の核兵器やミサイルプログラム関連に使用される資金の取り扱い停止を求められている。広義に解釈すれば、北朝鮮と取引を行う銀行すべてを米国の決済システムから締め出すために利用することも可能だ。

 元米国務省高官のデービッド・アッシャー氏は先週の下院外交委員会での証言で、ブッシュ前政権では金融面の制裁が北朝鮮政府に注意を払わせるほど十分な経済的苦痛を与える1つの方法であることが分かったと述べた。ブッシュ前政権による北朝鮮違法行為防止構想では、麻薬取引や偽造行為といった犯罪行為を調査することができた。そして、「金体制の金融面の命綱を戦略的に阻止するために法的措置や巧妙な外交といった手段」を利用することができた。

 アッシャー氏の努力は2005年に実を結んだ。当時、米国は、マカオの小銀行のバンコ・デルタ・アジアが資金洗浄に関わったと主張し、金一族が所有するとみなされる2500万ドル(約24億円)の凍結を強要した。このため、数十億ドルとみられる金一族の私有財産が脅かされることとなり、金一族の神経を逆なでした。米国はさらに、北朝鮮と取引を行う他の金融機関に対しても窮地に追い込むことができると警告した。

 ジョージ・W・ブッシュ前大統領は07年、当時のライス元国務長官と、北朝鮮との交渉で責任者だったクリストファー・ヒル前米国務次官補にこの影響行使の力を与え、引き換えに北朝鮮に核兵器プログラムについて一切を白状する公約を取り付けさせようとした。もちろん、それは実現せず、米国はその翌年、北朝鮮をテロ支援国リストから外し、北朝鮮に今一度、見当違いのアメを与える結果となった。

 このために、北朝鮮は今日、核兵器プログラムではるかに進展し、朝鮮半島に2万8000人の米軍が駐留する結果となっているにもかかわらず、イランと比べて世界の金融システムによりよくアクセスできる事態となっている。アッシャー氏は先週、北朝鮮経済に再び圧力をかけるための極めて合理的な提言を行った。

 何よりもまず、アッシャー氏はオバマ政権に対し、かつて自身が主導した省庁間実行委員会である米国務省北朝鮮作業グループを復活させるよう要請した。北朝鮮の金一族の富について追跡する責任を追う機関なしには、西洋諸国は決議と効果のない制裁措置ばかりの勝ち目のない勝負を続けることとなろう。


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