大分前、テレビで人間の耳を背中に付けたマウスが走り回る映像を見た事が有る。
再生医学というのだそうだ。アメリカではティシューエンジニアリングと言う。この映像は立花隆が1999年、アメリカの先端医学を取材していたものが放映されたものだった。TBSで「ヒトの旅、ヒトへの旅」(99年5月5日放送)と言う番組だった。この番組で人間の耳を付けたマウスが走り回った。もとはイギリスのBBCが作ったドキュメンタリーで世界中に大ショックを与えた。日本でもTBSの後、NHKがドキュメンタリーにした。人間の耳が切り取られマウスに付けられたわけではなく、ティシュエンジニアリングと言う再生医学の技術でマウスの皮膚に育った耳なのだそうである。人間の耳の軟骨から細胞の一部を取り出し、培養する。そしてポリグリコール酸と言う高分子化合物で足場を作り、その上に細胞をまいてバイオリアクターの中で育てるのだそうだ。本で読んだだけではよく判らないがこれで耳の形に育つのだと言う。
立花隆著「再生医学」中央公論社より