読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

森繁のことば

2009-11-12 10:06:48 | 新聞

昨日、森繁久弥が亡くなった。森繁の言葉を二つほど覚えている。
「老いることなかれ、熟すべし」と言う言葉で年賀状に借用させて
貰った記憶がある。高齢化が進みだしそれが話題になり始めた頃の
年賀状に書いた文句だった。
もう一つは「だいたい白い」と言う言葉だった。この言葉は、最初、ラジオで
森繁が話していた中に出てきた言葉で、それから十数年後、テレビの「徹子のへや」
という番組に森繁が出ていたとき、森繁の同じ話の中で出てきた。
森繁がNHKの職員であった頃、中国に赴任した。現地で農家の蔵のような家を
借りて住む事になったが、森繁の子供がその家の白壁に落書きをし、森繁は子供を
強く叱った。それをそばで聞いていたその家の大家の中国人は森繁を少し離れた所へ
連れて行き、そこからその家の壁を見た。そこで大家の中国人は森繁に言った。
「ここからあの壁を見ろ、だいたい白いじゃないか。だいたい白きゃいい。」と。
この話は森繁の記憶に強く残ったらしく、私はこの話を十数年の間隔を置いて二度
聞いたのだった。