読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

江原素六のこと

2008-02-14 15:12:00 | Weblog

江原素六と言う名は馴染みのないものだったが司馬遼太郎の本を読んでいるとよく出て来る。Time Booktownと言うサイトで川又一英の「麻布中学と江原素六」と言う本が紹介されていて、そのサイトで素六のことを抜粋ながら少し読めた。素六は天保十三年最下位の幕臣の子として生まれた。先祖が一向一揆として家康に反抗したため黒鍬者と言う卑賤な仕事に就く身分に落とされた。彼はその子孫である。しかし素六は怜悧な子であり、父源吾は素六が学問をする事を殊更、嫌ったが素六は後、池谷福太郎と言う物心両面から援助してくれる師に出会い、その才能を見出され幕府の昌平黌にも入学出来た。以後、幕府倒壊後もその才能で沼津兵学校の設立に携ったり、板垣退助などと自由民権運動に関わったりし教育の面で私立中学の雄、麻布中学を創始するに至る。この事情については川又氏の前掲の本と司馬遼太郎の「歴史と視点」に詳しい。