GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

「独裁政権の危惧」(下)

2013年02月11日 | Weblog

2月7日の朝日朝刊に、元柔道世界王者の山口香氏のオピニオン記事が掲載されていた。
今回の告発事件で悩める選手達の相談役になった「女三四郎」がこのように語っている。

『あなたたちは何のために柔道をやってきたの。私は強い者に立ち向かう気持ちを持てるように、自立した女性になるために柔道をやってきた』『明治の柔道家嘉納師範は強くなるためには<術>が大事だが、それが目的ではない。その術を覚える過程で、自分という人間を磨く大切さを説いた。だから<道>になったのです』

 しかし、マスコミや国、世論はいつのまにかメダル数を賞賛するようになり、すぐには目に見えない人間的成長などは完全に排除され、柔道連は<道>ではなく<術>になり、よってメダル獲得という至上命令を監督達に課してきた。

 私はこの記事を読んでいて「犯罪撲滅を優先するロス市警」「共産党独裁を続けてきた中国政府」そして、「メダル獲得が最優先する全柔連」が同じような組織体型になっていたのではないかと考えてしまった。キーワードは<独裁政権と暴力>だ。(中国政府にとっての暴力は公安組織と軍)暴力を肯定する組織は、桜宮高校を代表とするスポーツ科が有名な高校のクラブにも生まれる。「独裁政権と暴力によって支配する」、この構図は人種や民族を問わず、すべての人間が持つ悪の業と云えるのではないか。その業を断ち切るのは人としての<自立>しかない。私は「教育の最大の目的は自立」だと思っている。だから柔道家の山口香氏の言葉にとても胸を熱くした。
「体罰を受けている選手はその中に入ってしまうと、まひしてしまう。自分のプラスになっているんではないか、先生が自分のことを思いやってくれている。そんな考えに陥りがちなんです」(そんな環境下にも関わらず)「私は選手が自発的に起こした行動(今回の告発)を見守り、自立するのを待っててあげたいという気持ちです。選手の自立を助ける。それがスポーツでしょう」筑波大大学院准教授をしながら後輩たちの育成と自立に尽力している氏に尊敬の念を抱いた。

     

 中国軍艦によるレーダー照射事件の続報記事を読んでいて「似ている?」と感じた。全柔道連は学校での柔道活動、世界選手権やオリンピックを通して独裁政権を維持してきたが、その体制は昔のロス市警や現在の中国、もっと考えれば都道府県の教育委員会、暴力が支配する教室や家庭にも存在するのではないか。
 ハラスメント行為とは「組織や職場において、地位や人間関係で弱い立場の相手に対して、繰り返し精神的又は身体的苦痛を与えることにより、結果として人々の権利を侵害し、環境を悪化させる行為」だ。セクハラも含めたハラスメント行為は近代化と女性の地位向上と共にその実態が明らかになってきたが、周囲に「当たり前」という雰囲気が蔓延していれば教室の虐めと同様に表面化してこない。突然のように尖閣諸島は日本の領土と認めていないと言い張り始めた中国、当然中国海軍にも同じ意識が蔓延してるに違いない。共産主義はもともと人間の自立を認めるような思想ではない。ネットによるグローバール化が進み、しかも資本主義が深耕していく中国、共産党が15億の思想をコントロールしようなどと思い上がる時代ではなくなったということかもしれない。



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