GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

<のめり込む>2

2012年02月10日 | Weblog
 映画にも、のめり込んでしまう作品がある。もう一度見たくなってしまう映画だ。かつては「ゴッドファーザー」「ジョーズ」「インディー・ジョーンズ」「ダイハード」。最近では「ボーン・アルティメイタム」「ダークナイト」だ。この2作品もブログに書いた。2回映画館に足を運んだ作品だ。

 黒澤明監督の「天国と地獄」は犯罪映画の頂きに位置する作品だが、新たな頂を形成したのが韓国映画の「チェサー」だった。本当に凄い映画だった。まさに震撼したと言っていい作品だったが、同じナ・ホンジン監督が「チェサー」のハ・ジョンウとキム・ユンソクを使って作った映画「哀しき獣」も映画館に2回足を運こばせた作品となった。ナ・ホンジンは<のめり込む>監督になった。

 前回は連れ添いが実家に帰った日に一人で見てしまい、どうして気持ちが落ち着かず、今日連れ添いを連れ出して再鑑賞して来た。

 

 アメリカ村にあるビックステップ3Fにある焼きそばとお好み焼きの「鶴橋 風月」でまずは腹ごしらえ。焼きそばはどこで食べても大差はないが、ここのお好み焼きは実に旨い。老舗の「ぼてじゅう」などと何が違うかと云えば、つなぎのメリケン粉の存在を感じない点だ。細く切られたキャベツがメインでつなぎは卵と山芋だけのような気がしてならない。
 目の前でお好み焼きの具をかき混ぜるが、メリケン粉の存在が見えてこない。だから鉄板の上にキャベツがボロボロとこぼれてしまう。時間をかけて卵とキャベツをかき混ぜ、鉄板の上で形を整えるときにこぼれたキャベツを一緒にする。そしてカツオブシをまぶす。(見つめていて写真を取り損なう)

 

 約8分。ようやく調理された2玉分の焼きそばが運ばれくる。キャベツはほどよく蒸らされて初めてのターン。(写真参考:ブタ・イカのお好み焼き)このキャベツの蒸らしが胃にもたれない絶品の味を作り上げる。「鶴橋 風月」のお好み焼きは、いいかえればキャベツの蒸らし焼きとえいるのではないか。大阪に来たときは一度「鶴橋 風月」のお好み焼きを是非、ご賞味して下さい。絶品ですよ。[m:42]

 

 一日一回の上映時間17:00の5分前に食べ終わり、4Fにあるシネマート心斎橋に入場した。客入りは4割(席数:110席)くらいか。日本では激しい暴力描写を好まない人が多い。よってこの手の映画は大劇場向きではないようだが、とても質の高い映画であることは保証する。

 2回目を見終わり、ビッグステップ1Fの前にあるベンチで火照った心を一休みしながら連れ添いといつもの映画談義。彼女の最初の一言がいつもながら興味深い。今回もぶっ飛んでいた。今見てきた「哀しき獣」の映画批評ではなかった。

「この間見た『マイウェイ』は、ハリウッド映画だったね
 そして付け加えた。「今日のは韓国映画らしい映画だったね」と。韓国映画の名作はどの映画も、何処か哀しく切ない。(これは私の感想)

 朝鮮半島は中国という陸続きの大国から長い間迫害を受け続け、島国の日本からも侵略を受け、しかも南北に分断されたという辛い歴史がどの作品にも伺えるからだ。バブル崩壊までの日本の繁栄を中国の人たちや朝鮮半島の人たちはどのように見ていたのだろうか。2回目の鑑賞でこんなこと考えてしまった。


今読んでいる大沢在昌の「魔女の盟約」の中にこんな記述がある。
日本と韓国と中国の違いをわずかでも感じ取って欲しい。

・韓国の組織暴力は、完全に地域密着型で縄張り意識が非常に強い。日本のような、
 全土に傘下を団体をもつ大組織は存在しない。
・韓国の政府公認の商品券は、実際には一切市場では流通せず、額面の九割で買い取り、
 パチンコ屋の景品として発給されている。
・韓国では国産自動車の生産が軌道に乗り、自家用車が飛躍的に普及した。
 その結果坂も多い国土ではどれほど短距離の移動であろうと車を使う人が非常に多く、
 朝晩の交通状態は東京を上回る。
・日本人の顔はやさしい。韓国人は日本人よりわずかだが険しい顔をしている。
 それよりさらに険しいのが、出稼ぎにきている中国人たちだ。
・韓流ブームの時は、スターの顔写真が入ったライターやカップが韓国で作れば
 日本で50倍で売れた。今ではより安い中国製が主流。(使い捨てライターを見よ)
・日本人は人とさわるのを嫌いすれちがうときさけるが、韓国人はよけない。
・釜山とソウルの距離408.5kmを高速鉄道KTXは2時間40分で走る。
 (東京と新大阪間552.6kmを最速ののぞみでは2時間25分)
・韓国で開催されたオリンピックやワールドカップを契機に警察の締め付けが激しくなり、
 工場の摘発があいつぎ、ブランド品のコピー技術者は中国に脱出した。
・韓国人は血縁者、親戚を大切にし、会ったこともない甥や姪に学費を援助する人たちがいる。
・上海は緯度的には鹿児島市と同じ。東京からの距離は、ソウルよりわずかに遠いが、
 沖縄本島とかわらない。
・上海の人口は1,400万人、北京は1,200万人。人口密度は上海が最も高く、金持ちも多い。
・日本は最も成功した社会主義国家、今の中国は最も資本主義的な国家。
・中国では百億以上の資産家がたくさんいるが、年収10万円に満たない農民が何千万人
 もいる。年収200万円以下が生活保護などの対象とすれば、格差は10万倍以上。
 つまり年収200万円の十万倍は2,000億円。日本ではそこまでの開きはない。
・中国内陸部から上海などの沿海部に出稼ぎに行く地方出身者の「民工」は、
 他人の土地に家を建て住み着くが、結局仕事にありつけず、
 地方ごとに黒社会(暴力団)を作っていく。
・中国では警察組織が「公安部」、諜報組織を「安全部」と呼ぶ。
 (日本の諜報組織は「公安」と「外事」)
・日本にはブランド品のコピーを作るヤクザはいない。まともな仕事にありつけない貧しい民工が、
 中国マフィアのシノギ(仕事)として命を削ってブランド品のコピーを作る。日本では主婦・OL、
 高校生までが、ブランド品を身に付けようとする。ブランド品を身に付ける自己愛のために。
日本人は小さな事(仕事)はうるさいが、大きな事(歴史)は忘れる。中国人はそれがいらつく。

 


 こんな内容の本を読んでいると、「哀しき獣」のような映画がとても身に沁みてくる。根底に流れているのは、貧困と差別だ。中国には漢民族、満州族、朝鮮族ら20以上の民族が住んでいる。ほんの一握りの富裕層が金と権力を握っている。年間に18万件以上も暴動が発生する中国。そんなに暴動が多い先進国はどこにもない。増大した民衆の怒りを抑えるため、そして巨大化した食い扶持を稼ぐため、無節操に資本主義を導入しているかにみえてくる。軍備の増大も枯渇資源確保への焦りに見えてくる。役に立ちそうもない知識が映画の陰陽をより際だたせる。映画のおかげで本がより面白くなる場合もある。新聞記事やニュース番組が役立つ場合もある。そして、これらの相互作用が自分自身の判断力や人間性の向上にも影響を与えてくていると思う。のめり込む対象が酒や女や賭事ではなく、本や映画なら周囲にも迷惑がかからず、本人とってもいいならこれほど平和なことはない。


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