GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

<今を生きる>

2012年03月03日 | Weblog
 目の前の長い階段を登るとき、頂上を見ないで足下の階段だけを見つめて登ったことはありませんか? 先を見てしまうとうんざりしてしまうから、私は足下を見つけながら、ゆっくり登ります。

 

 先日、遼君も出場したゴルフ世界マッチプレーで優勝したハンター・メーハン(米)の言葉が心に響いた。「先を考えたら負ける。今だけを見る」は、「階段の頂上を見ない」と共通しているように思ったからだ。
 余計な考えは自分を追い詰めていると気づいたメーハンは、先走る野心を無心に戻し、「今やるべき一つに集中する」と決意したのかもしれません。決勝マッチの相手は若手の代表格ロリー・マキロイ(英)。若いロリーは世界一の座を意識しすぎて負けたのではないか。人は現在を飛び超えて未来に着地することはできない。長くても階段を登らなければ、次のステージにはいけない。ならば階段の一段一段を登ることに集中する。このメイハンのマインド・コントロールが優勝をもぎ取った。
 こんな言葉がある。「夢には無限のエネルギーがある」 しかし、夢は将来ではないのか。夢は余計な考えではないのか。確かに夢は将来だが、勝負の瞬間に考えるべきではない。大切なのは気持ちの切り替えだ。そして、集中力だと思う。集中力がない場合は、すぐに余計なことを考えてしまうからだ。

名作映画「ショーシャンクの空に」の中でこんなセルフがある。

「お前に言っとくが、希望は危険だぞ。正気を失わせる。
 壁の中では禁物だ。よく覚えておけ」

これは長期受刑者の老人が入ってきたばかりの若い終身刑の主人公に語ったセリフ。
大変意味深長なセリフで映画の主題とも云える。


 例えばゴルフの場合なら、(このパットと外してしまえば、このホールを失う。後2ホールしかない。そうすると次のホールがドーミーホールなってしまう…)とか。
 テニスの場合なら、ラリーが続いている時に、決して余計なことを考えてはいけないだろう。返ってくるボールを全身全霊で相手コートにたたき返す。相手のバックを攻める戦略があっても返ってくるボール次第で変わってくる。身体が自然に反応して、まるで条件反射になるまで練習を繰り返し、その身体が覚えているままに相手コートに返す。



 今の勝負に集中できて初めて、明日への道が開かれる。今と云っても決して1日24時間のすべてではないはず。その内の数十分、数時間に全神経を集中する。後に引きずらない気持ちの切り替えが集中力を呼び込む。

 ゴルフやテニスのような勝負の世界と一般社会での生活とは大きな開きがあるかもしれないが、集中力を必要とするのは同じように思う。先輩と後輩、上司と部下、そこには人間対人間の対話が存在する。相手をバカにしたり、余計なことを考えていては得られるものも得られない。聞くべき時はしっかりと聞く姿勢こそ、明日につながる<今を生きる>になると思っている。