GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

「篤姫」(大奥の使者)

2008年11月24日 | Weblog
二人が向き合った瞬間、多量の涙が零れました。
こんなことは今まで記憶にありません。

二人の胸に押し寄せる想いが<共感>できたからでしょう。
「篤姫」ファンの全員が涙したに違いありません。


篤姫を大奥に上げるために斉彬から鬼教官として送り込まれた幾島。
大奥のトップに登り詰め、今や徳川家存亡の危機を迎えた天璋院篤姫。
二人の感動の再会シーンを一晩おいて自分なりに分析してみました。



二人の出会いは斉彬の思惑でしたが、
その後の二人は、まさに人生の友として
お互いに生涯忘れ得ぬ絆を築いていきます。

人生でこんな絆作りを経験できることは決して多くはありません。
お互いを尊敬し合い、お互いの気持ちを共感できる関係は、
滅多にないように思います。

だからこそ、今回の再会に万感の想いが押し寄せ、
向き合っただけで言葉を発しなくてても、
お互いの心の内を共感できたでしょう。

幾島との出会いは篤姫には辛いことの連続でしたが、
その辛い想い出の数々を輝くような宝物にしたのは篤姫の希にみる向上心と
幾島の忠義を越えた篤姫自身への愛情でした。

幾島に子供があったとは思えませんが、
まさに母としての愛情を感じざるをえません。

嫁にやった我が娘が、大奥のトップとして天下を揺るがす様々な大事件に対処し
しかもすべての人から敬愛を受け、孤軍奮闘してきた篤姫(=娘)を見て
鬼教官として、友として、
そして母としてどんなにたくましく、
そして愛しく可哀想に思えたでしょうか。

篤姫の目にも大粒の涙が零れんばかりに輝いて見えました。
徳川家を守るのは今や自分しかおらず、しかも戦となった今
おなごとしてできることなどないのです。
唯一信頼を寄せる勝に頼るしかないのです。
そんな心細いときに、人生の師匠たる幾島の姿を目の前に見たのです。
きっと、飛びついて抱き合いたい想いを抑えるのに苦心したに違いありません。


いい別れがあって初めていい再会ができるようです。

二人の別れもそうでした。
鬼教師の役目を終えたと自覚し、見事な引き際を見せた幾島。
若い篤姫には大奥を取り仕切るトップとしての自信などありませんでしたが、
薩摩ではなく徳川家の嫁としての新たなスタンスが生まれていました。
その思いが幾島との別れは必然と受け入れ、心細くなる心を自ら戒めたのです。

こんな大人の別れがあったからこそ、
二人の再会に涙か零れて止まらなかったのです。

    
      …………


いい別れを意識して今生まれている関係を大切にしたい。
今築かれている関係、そして絆を大切にしたい。
別れは必然、
永遠に続くことなどこの世にない、
無常の世だからこそ、

いい別れができるような誠実な関係を大切にしたいと思います。