極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

盛り塩と豆腐

2012年01月02日 | 創作料理

 


【ひょんなとうりん】

これは年末の話。お墓掃除と母親を見舞いを済ませ四番町スクエアに食事に行
くことになったのだが、目当て「楽座」は営業年末で仕舞い。急遽、四番町ス
クエア館はダイニングの二階の豆腐専門料理店「とうりん」で食事する。へぇ
~、そうなんだ。こんな店があるなんてと感心しながら「名物できたて豆腐御
膳」を注文すると。陶器の薄鍋に入れたおぼろ豆腐が置かれ、目の前で5分ほ
ど加熱し後、上蓋を店主とおぼしき男性が食べ方を口伝し頂くことに。はじめ
はそのまま木匙で掬い取皿にいれ食べる。その次にモンゴル岩塩の乳白色の方
を豆腐にふりかけ食べる。またその次には灰白色がかった硫黄成分が少しする
岩塩をふりかけ食べる。へぇ~そうなんだと感心し、スーパードライを喉越し
に入れ、豆乳玉子焼き、花蓮根、染めおろし、生麩天麩羅 丸十 茄子などの小
鉢料理といっしょに頂く。
 

      

豆腐は水も一緒に固め舌触りがよいものが作りやすい、漆喰でお馴染みの硫酸
カルシウムで凝固させた「すまし粉豆腐」仕立て、大豆は長野県産「仲仙成」、
にがりは天日の塩田にがり、これは塩化マグネシウムですまし粉とバランス良
く配合手順することで凝固速度を加減しながら、微妙な食感や風味、旨味とい
ったものを繊細に調整するのだろうがやはり基本は水にある。それにしてモン
ゴル岩塩なるものはと?考えていた。

 



【武帝の盛り塩】

そこで調べてみた。モンゴル産といえばモンゴル国の北西部、ウヴス県 (Uvs
Aimag) のウヴス・ヌール盆地 (Uvs Nuur Basin) に位置する岩塩鉱床岩塩。
モンゴルではこの岩塩鉱床で採掘される岩塩のみを限定しジャムツ・ダウス (
Jamts Davs) と呼ばれる。国内では健康に良い塩として食用やうがい湿布など
に使われている。日本では1990年代後半から食用、観賞用として輸入され、現
在ではモンゴル国の主要な対日本輸出品目のひとつになっている。桃白色、白
色灰白色の岩塩で、その形成期間は約3億5千万年というが、それ以外にも湖塩
もあり岩塩として売られるが不純物が入っているので注意がいる。考えように
よればこの不純物が旨味を増すミネラルや微量のアミノ酸だったりするのでは
ないだろうかとも思ったりする。 

 

ところで、塩は人間の生存に必須の食品。古くから政治的、経済的の重要な位
置を占め、世界各地に海岸部の塩田や内陸部の塩湖から塩を運ぶ道があり、塩
を扱う商人は大きな富を得ていた。ロシアの大商人で貴族にもなったストロガ
ノフ家は塩商人を前身としたとか、特に中国では前漢時代より塩の専売が行わ
れ、二千年にわたる皇帝支配の財政的基盤となった。塩の専売制度を巡る議論
は前漢から行われる一方で、王朝による高額な専売塩より安く塩を密売して巨
額の利益を上げる者(塩賊)も跋扈し、唐を崩壊させる黄巣の乱を起こした黄
巣は有名である(中国塩政史)。

 

なかでも、塩にまつわる言葉や故事も多く、清めの塩は神道と縁が深い。また、
手塩にかけるなどもそのひとつだが、飲食店の店舗入口に塩を盛りつけおく習
慣がありこれを「盛り塩」と言い集客、縁起担ぎ、厄除けとして使っているが、
その由来は、三国演義にある魏、蜀、呉を統一した西晋の武帝(司馬炎)の故
事にあるとされるが定かでないと言われている。

司馬 炎は、魏から禅譲を受けて晋を建国し呉を滅ぼし分裂状態が続いていた
中国を百年年ぶりに統一。しかし統一後は政治への興味を失い、八王の乱の遠
因を作り女色にふけったことでも知られ、273年7月に、詔勅を以って女子の婚
姻を暫時禁止し、自分の後宮の女子を5千人選らび、呉を滅亡させた後の呉の
後宮の5千人を自らの後宮に入れた。広大な後宮を司馬炎は毎夜羊に引かせた
車に乗って回わり、の羊の車が止まったところの女性と一夜をともにしたとい
う。宮女たちは自分のところに皇帝を来させようと、自室の前に竹の葉を挿し
ておき塩を盛っておき、羊が食べ止まらせたとことが塩を盛るという故事のも
とされる。いかにも中国らしい、元祖色街公共事業の企業化
故事ではあると
ころが面白い。

話を食塩の戻す。こんな家業を続けていると?美味しい塩の付加価値の有り様
に疑問をもってしまう。純粋な塩化ナトリウムに必要な雑味?ミネラル、不純
物を添加すれば良いのだと考えてしまう。そう、あのクレージーソルトのジェ
ネリック版というやつを、ネオコン(=ナノテク)技術の派生商品として展開
するのだ。考えようによればこれも、サプリメントの範疇に入るのかも知れな
い。

 

【イタリア版食いしん坊万歳:トルテッリーニ、ボローニャ風】

具材:小麦粉600g、卵8個、豚ロース肉300g、七面鳥の胸肉100g程度のもの1
枚、生ハム100g、モルタデッラ・ソーセージ100g、牛の骨髄509、バター60g、
パルメザンかパダノのおろしチーズ100g,ナッツメッグ、白コショウ、鶏のブ
イヨン、塩

作り方:イタリア北部、エミリア・ロマーニャ州のトルテッリーニ、ボローニ
ャ風の作り方について、多くの議論がかわされている。まず小麦粉600gに卵6
個、塩をひとつまみ入れ,勢いよくこねて柔らかい、滑らかな練り粉に仕上げ
る。この時,練り粉になるべく水は使わない。練り粉をごく薄く板状にのし、
直径2cm弱の円盤状に切り取っていく。次に詰物を準備、キャセロール鍋に30g
のバターを熟し、豚肉の固まりを入れる。それから大さじ数杯分のお湯とひと
つまみの塩を加え、弱火にし、焼きすぎて肉の旨みが逃げないようにする。七
面鳥の胸肉をほどよく調理。そして豚肉,胸肉,生ハム,モルタデッラ・ソー
セージをミンチにかけ混ぜ合わす。卵をまるごと2個、牛の骨髄、クルミ大に
丸めたバター,パルメザンかパダノのおろしチーズ大さじ4杯を合わせ、ミン
チした肉の中に入れ混ぜ合わせる。この時にパン粉を適量ふりかける。最後に
香りがつく程度のナッツメッグと白コショウ少々を加え、味を整える。




円盤に形どったパスタの上に小さく丸めた詰物をのせ,半円状に二つ折りし、
縁を押さえながら閉じ合わせる。そしてトルテッリーニをブイヨンで煮る。詰
物や包み物料理は、一緒に添えるものの味を濃くしすぎてはならない。鶏のブ
イヨンは裏ごしして、脂肪分をよく取る。七面鳥と牛の骨髄は入れず卵を使か
わなくてもいい。



そこで、パスタ料理はカロリーが比較的高いので、創作料理もその点を考慮し
て作戦を立てなければと思う反面、新しいパスタ麺の素材改良にも力を入れな
ければ思っている。このことについては改めて企画提案してみたい。

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