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per l/a psicoanalisi

ルソー引用

2021-11-09 00:44:20 | Twitterから

「ひとたび服従に慣れた人民は、もはや主君がなくてはやってゆけません。束縛をふるい落そうと試みれば、彼らはますます自由から遠ざかります。それは自由とは反対の勝手気ままを自由ととりちがえるので、彼らの企だてる革命は、ほとんど常に、彼らの鎖を重くするにすぎない扇動家たちの手に自分の身をまかせることになるからです。」——ルソー『人間不平等起原論』岩波文庫版pp.11-12

「…目的である行為よりもしばしばもっと危険な動機をかくしている陰険な解釈や毒をふくんだ演説に決して耳を傾けないように注意して下さい。」ibid., p.18

 

 
《……一人の人間が他の人間の援助を必要とするやいなや、またただひとりのために二人分の貯えをもつことが有効であると気づくやいなや、平等は消えうせ、私有が導入され、労働が必要となった。》——ルソー『不平等論』岩波文庫版p.95
すぐにこう続く。
《そして広大な森林は美しい原野と変って、その原野を人々の汗でうるおさなければならなかったし、やがてそこには収穫とともに奴隷制と貧困とが芽ばえ、成長するのが見られるようになった。》ibid., p.95

《このようにして、自然の不平等が〔新しい原因の〕組み合わせによる不平等とともに知らず知らずのあいだに発展し、状況の相違によって発展した人々の間の相違は、その成果の点でいっそう著しくにり、いっそう永続的になり、そしてそれと同じ割合で個々の人間の運命に影響しはじめる。》p.100

《……自分の利益のためには、実際の自分とはちがったふうに見せることが必要だったのである。……いかめしい威儀と欺瞞的な策略とそのお供をうけたまわるあらゆる悪徳とが出てきた。》p.101

《要するに、一方では競争と対抗意識と、他方では利害の対立と、つねに他人を犠牲にして自分の利益を得ようとするひそかな欲望。これらすべての悪が私有の最初の効果であり、生れたばかりの不平等と切り離すことのできない結果なのである。》p.102


《……強欲と野心とがありすぎて、長い間、主人なしではすませなかったのだ。だれもかれも自分の自由を確保するつもりで、自分の鉄鎖へむかって駆けつけた。》———ルソー『人間不平等起原論』岩波文庫版p.106

《…奴隷制度を樹立するためには、自然にそむかなければならなかったように、この権利を永続させるためには自然を変えなければならなかった。》p.116
 
《…この第三の時期が不平等の最後の段階であり、他のすべての時期が結局は帰着する限界であって、ついには、新しい諸変革が政府をすっかり解体させるか、またはこれを合法的な制度に近づけるにいたるのである。》p.121
 
《また多数の人々が、外から自分を脅かしていたものに対して行なった警戒のためにかえって内部で圧迫されるのが見られるだろう。》p.125
 
《祖国の防衛者が晩かれ早かれ祖国の敵となり、同胞の市民たちの上に短剣を振りかざしているさまが見られるだろう。》p.125
 
《……世の中の人々が自分をどう見ているかということを相当に重んじ、自分自身よりもむしろ他人の立証に基づいて幸福になり、……社会に生きる人は、常に自分の外にあり、他人の意見のなかでしか生きられない。そしていわば他人の判断だけから、彼は自分の感情を引き出しているのである。》p.129
 
《…不平等は、われわれの能力の発達と人間精神の進歩によって、その力をもつようになり、また増大してきたのであり、そして最後に、所有権と法律との制定によって安定し正当なものとなる、ということになる。》p.130