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ペーリン、アラスカ州知事突然辞任 A curve ball?

2009-07-05 | 米国・EU動向
2009年7月5日(日)

前回大統領選挙で、敗れたMcCain氏の副大統領候補として突然昨年の秋口に浮上して、数々の「お馬鹿ぶり」を披露して、選挙戦を盛り上げた現職のペイリン・アラスカ州知事(45歳)が、何の前触れもなく(sudden and unexpected)、約2年の任期を残して突然辞任を発表した。

「彼女に関して予測が付くのは、予測の付かないことをするということだけだ」と揶揄され、選挙期間中からあれやこれや取りざたされた倫理問題に関して、「もうアラスカにはもう飽き飽きしてしまった」のだろうとも、「2010年の知事再選すら危うくなったので早々と転進したのでは?」などの憶測を呼んでいる。

とりわけマスコミの興味を引くのは、2012年の米国大統領選挙への出馬準備としての、知事辞任という観測である。自伝が、来春には出版されるので、その印税を軍資金にして、出馬をぶち上げる可能性は十分あるのだ。

共和党は、今年から来年にかけて、約40州で、知事の改選が行われるので、Palin女史が大いに、選挙応援で力を発揮してくれるだろうと期待する向きもあるが、党の中では、「彼女のイメージはマイナス」("She has become a damaging figure on the Republican stage,")という見方のほうが強いようだ。

そして肝心の大統領選挙に関しても、「8か月以上も彼女と付き合える選挙参謀と運動員はいない」だろう、と悲観的で、何よりも彼女に、政治的な経験に不足していることが「不適格」の決定的要因である、との意見が支配的である。

ABC放送切っての論客Cokie Roberts女史のコメントが、全米の意見の公約数を代表していると思われる: 「わけがわからない。(mystifying)」 「いっていることが飛んでしまっている。(a bizarre announcement)」。「意味不明で、とても大統領選に出ようとする人のすることではない(It didn't make a lot of sense, and it doesn't seem to be the kind of thing someone would do if someone was running for president.")

決定的なオバマ大統領への対抗候補を出せない共和党は、本命を絞り込む前哨戦中に、彼女の「反社会主義政策」を、反オバマキャンペーンに大いに「活用」することは十分考えられる。