ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

今年のベスト本。109冊の中から

2004年12月31日 | 読書
 「今年の3冊」を選ぼう。2004年に刊行されたものの中からは以下の3冊。

 『ヒューマン・ステイン』 フィリップ・ロス著
 『戦争が遺したもの』 鶴見俊輔、上野千鶴子、小熊英二著
 『他者と死者』 内田樹著

 今年の出版物ではないけれど、今年読んだものとしてベストなのは『民主と愛国』(小熊英二著)。

 それ以外のベストは、

 『テクストから遠く離れて』加藤典洋著、
 『日本文学盛衰史』高橋源一郎著
 『季節の記憶』保坂和志著
 『敗北を抱きしめて 増補版』ジョン・ダワー著
 『野川』古井由吉著
 『サイファ覚醒せよ!』宮台真司、速水由紀子著

 といったあたりか。

 『反社会学講座』も大いに笑わせてもらったので、よかった。


 もちろん、このほかにも心に残る本、感動させられた本、考えさせられた本、大笑いさせてもらった本が何冊もある。だいたいが、映画も本も好きで見ているんだから、点数がそんなに辛いはずがないのだ。
 
 番外だけど、楽しいエッセイを一つ紹介する。『森のうた 山本直純との芸大青春記』。これはamakoさんに借りた本。昔の学生のバンカラぶりも微笑ましく、岩城宏之の巧みな文章を堪能できる上質のエッセイだ。岩城宏之・山本直純という指揮者二人の東京芸大時代の思い出話をつづってあるのだが、芸大での授業風景や学生だけのオケを結成していくおもしろおかしい様子、山本直純のハチャメチャな脱線ぶりなど、なるほど芸術系の学生というのはこんなに個性豊かでおもしろいのか、と大笑いできる。これに比べて最近の若者の小さくまとまってしまうことといったら、情けない限りだ。
 というようなことを書くと「ピピも年寄りみたいなことを言う」と言われてしまいそうだね。



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