ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

「現代アフリカと開発経済学」

2001年03月20日 | 読書

峯陽一くんの近著、実は1年以上前に送ってもらったのに今頃読了。
 彼の「南アフリカ―虹の国への歩み」(岩波書店、1996年)もとてもよかったが、こちらも最終章が実に夢と希望にあふれていて、元気が出る本だった。筆者は3人の開発経済学者の仕事を整理・紹介することでアフリカの「悲惨な」現状を打開する方途をさぐる。それは、一見まったく異なる経済状況下にあると思われる日本の人々にも、未来を考える契機を与えてくれる。
 ウィリアム・ルイス、ロバート・ベイツ、アルマティア・センという3人の経済学者のうち、おそらく峯氏はセンにもっともシンパシーを抱いているのだろう。峯氏は、「こうするべきだ」という処方箋は何も書いていない。ただ、「こう考えていこう」という方向性を豊かな言葉で教えてくれる。
 読了後、峯氏に感想文のメールを送った。意外にも同書は外務官僚に受けているという。次の仕事も楽しみなわが後輩である。

「現代アフリカと開発経済学」
峯陽一著、日本評論社、1999年