ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

『歴史と瞬間 ジョルジュ・バタイユにおける時間思想の研究 』予告編

2006年08月13日 | 読書
昨年の春より予告していた「バタイユ月間」、ようやく終わりました。月間といいながらここまで延び延びになってしまったのはひとえにわたしの怠慢によります。

 この間、さまざまな励ましやご協力をいただいた皆様には伏してお詫び申し上げ、また暑く、いや、厚くお礼もうしあげます。ほんまに暑いですねぇ~、なんとかならんのかいっ、関係者出て来い!
 
 おっと、閑話休題。
 特に記して謝意を表したいかたがお二人。かつての卒業論文を3度にわたってネットにアップしてくださった曽根朗さん、そしてメールでご連絡くださった猿虎(永野潤)さん、ほんとうにありがとうございました。
 
 ここでお一人、重要な方に謝辞を捧げねばなりませんが、その方はすでにこの世になく、それがまたわたしには大いなる衝撃で、本書へのコメントもいっそう遅くなってしまいました。

 『歴史と瞬間』という高価な本を、一面識もないわたしに贈ってくださった和田康さんには、もっと早く本書の感想をお送りしなければならなかったのに、もはやお礼の言葉も和田さんには届けることがかないません。去年の5月に本書を送ってきてくださった和田さんは、9月に自死されたとのこと。そのことを知ったのは今年の5月でした。その時点でまだ本書を読み始めていなかったのですが、著者の死という衝撃的な「外部事情」を織り込むことなしに本書を読み進めることはできませんでした。

 「作者の死」を述べたのはロラン・バルトだったけれど、文字通り作者が死んでしまったという事実が本書に「テクストから作者へ」というバルトと逆ベクトルの読みをわたしに強いることになりました。

 バタイユを読もうと思ったのは、そもそもアガンベンを読み始めたからです。その前にアガンベンは大澤真幸さんの作品にふれることによって興味をもちました。このように芋づる式の読書を進めるうちに、バタイユを読もうという気持ちになり、まずは入門書を手始めに読書を始めたのが去年の夏。それから延々、一年がかりで、あちこち脱線しながらバタイユ関連の本を読み進めて参りました。 

 読書のスピードが異様に落ち、レビューを書く気力もうせたこのごろ、何人ものブロガーが毎日のようにブログをアップされているご様子にはまさに驚嘆するしかないという思いです。

 というわけで、本日は『歴史と瞬間』の予告編でありました。本編はまた来週にでも。
 
曽根朗さんのバタイユ論についても来週、まとめてコメントさせていただきます。

 曽根朗さんのバタイユ論第1回
  第2回
  第3回

最新の画像もっと見る