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日々の恐怖 10月10日 一軒家(8)

2022-10-10 09:23:27 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 10月10日 一軒家(8)





 私とCと兄で、まず、第一の目撃現場である納屋へ行く。
兄は、納屋の隅の木箱を指差して一言。

「 あれだよ、あれ。
あれがムジナの棲家になってるんだ。
今、ひょっこり顔出してこっち見てる。」
「 ムジナって何?」
「 動物霊の進化系みたいなもんだ。
元々の正体は穴熊だな、こいつは。」

その後、兄はフンフンと箱の中のムジナさんと会話した後、(私達には見えないけど)

「 ムジナの言い分はな、婆さんにこの箱を貰った。
だから、ここで暮らしてたのに、おまえらが邪魔する、だってさ。」

その時、その箱はCのバイクの整備用品が入っていたが、兄はその用品をどかすと、

「 じゃ、この箱くれてやるから、この家で騒ぐんじゃねぇぞ。
また騒いだら、滅しちゃうからな。」

そして、兄は私達に、

「 一人一枚ずつタオルか毛布を持って来い。」

と言った。
 私達が持ってくると、箱の中に放って、

「 これで約束成立だ。
あと、Cちゃんも、ここに道具とか入れるな。
この箱はムジナのものだから。
これも約束だ。」
「 本当に?」

と訝るCちゃん。
まあ、当たり前だよね。
便利に使ってた箱を没収されてるんだから。

「 じゃ、約束成立の証しに、ちょっとおまえ、走り回ってみろ。」

と兄が言うと、頭上の梁に

” トコトコトコ~!”

と音がする。
 私が見上げても何も見えなかったが、Cは、

「 ウワァ~~~!」

と叫んだ。
 Cが、

「 あ・・・・、あれ、あれっ・・・!
でも、前と違う、お多福になってるよ!」
「 前は脅かそうとして怖い面にしたけど、今回は友好関係にあるから、形を変えたんだな。」

と、兄が説明した。










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