大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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なんじゃもんじゃ物語214

2007-09-25 18:38:43 | _2-19 港への道
 話をしながら歩いていると、もう、婆さんに5mほどの所までやって来ました。
婆さんは相変わらず、街灯の下に座って、両手で頭を抱えてうなだれています。
二人が近寄って来ているのに気が付いていないようです。

「 あの婆さん、透き通っているように見えないか?」
「 光っている輪郭も揺れているように見えるでござる・・。」
「 もうちょっと、近付いてみよう。
 あいつ、俺たちに気が付いていないようだ。
 足音を立てないように、そ~っと行くぞ。」

お頭ブラックとベンケーが、そ~っと婆さんの目の前までやって来ました。
婆さんは動きません。
 お頭ブラックが婆さんの肩を押しました。

「 うわ~っ!」

お頭ブラックの手が婆さんの体の中に吸い込まれて行きます。
お頭ブラックは、ビックリして手を引っ込めました。
 ベンケーが言いました。

「 お頭、お頭、これは映像でござる!」
「 映像?」
「 ホログラムでござるよ。」
「 ?」
「 立体映像でござる。
 ほら。」

ベンケーが手を婆さんの体の中に突き刺して左右に振りました。
手は婆さんの体の中で空を切っています。



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