大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道178

2009-01-21 18:30:29 | E,霧の狐道
鞠の音は同じ所で鳴っている。

“ 動かないな?”

音が消えてしまう気配も無い。

“ てんてんてん、てんてん!”

てんてんで、音が途切れた。
俺は耳を澄ませた。

“ ・・・?”

暗い病室に、心臓のリズムのモニター音が通路から流れ込んで来る。

“ 行ってしまったのかな?” 

鞠の音はこの病室から少し奥に行った所ぐらいで消えたと思う。
気になった俺は耳を澄ませた。
そのとき、突然、足音が聞こえた。

“ カツカツカツカツ。”

少し、小走りだ。

“ 看護婦さんのローヒールの靴の音だな・・・。
 あの女の子、看護婦さんに見つかったのかな。”

病室の扉の音が聞こえた。

“ ギッ、バタン!”

二つ三つぐらい奥の部屋に足音は入って行ったようだ。
続いて、声が2回聞こえた。

「 ・・・さん、・・・さん!!!」

名前ははっきり聞き取れなかった。

「 うっ、ヤバイ・・・。」

そして、扉の音。

“ ギッ、バタン!”

看護婦さんが小走りで通路を走る。

“ カツカツカツカツ・・・。”



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