大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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なんじゃもんじゃ物語209

2007-09-07 18:21:07 | _2-19 港への道
 私は、この順で行くと五人目の最後です。
私は、ジワジワ迫ってくる恐怖に布団を被り直して、ジッとしていました。
四人が終わったようです。
そして、いよいよ私の番です。
看護婦さんが、私の寝ているベッドに近付いて来る気配がします。」

たまちゃんの声が、話している途中から段々小さくなって来ました。

「 看護婦さんは、私のベッドの横までやって来ました。
 少しの間、沈黙の時間が流れました。
 多分、看護婦さんは私のベッドの横に立って、私を見下ろしていたのだと思いま
 す。
 それは、とても長い時間に感じられました。
 ここまでやって来る前に逃げ出せばよかったと後悔しました。
 私は、布団を掴んでいる手に汗が滲んで来るのが分かりました。
  そして、被っている布団が、看護婦さんに引っ張られて、下に徐々にずらされ
 て来るのが分かりました。
 私は、看護婦さんの顔を見るのが怖くて、ジッと眼を瞑っていました。
 私の顔が布団から出て、看護婦さんが屈みこんで、私の顔を覗き込みなが
 ら・・・・。」

子分たちは、小さな声が聞こえるように、たまちゃんの方に顔を近寄らせました。

「 おまえだ~~!!」

たまちゃんは、突然、大きな声を出して、なんじゃ殿様の首を絞めました。

「 ぎゃ~っ!!」
「 うわっ!!」

 なんじゃ殿様は、引っ繰り返りました。
みんなビックリして、仰け反りました。
リヤカーがグラグラ揺れています。



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