日々の恐怖 9月11日 病院関連話(4) ホスト
彼女ではなく彼女の知り合いの脳神経外科の看護師の話です。
つまり又聞きです。
ある診療内科の町医者の紹介状を持った男性患者が来た。
いわゆるセカンドオピニオンってやつ。
セカンドオピニオンって診察料高くなるし、それより心療内科からいきなり脳神経外科ってどういうことよ。
まあ、ホストで稼いでるのでお金的には困ってない、みたいなことを自慢げにちらっと言っていた。
相談内容というのは、端的に言うと幽霊が見える、ということだった。
血液検査の結果を見ると肝臓の値が猛烈に高い。
もうこれはアルコール依存による幻覚以外のなにものでもないって、医者でない彼女でも思ったそうだ。
「 ただ・・・・。」
と言いながら、彼女は話を続けた。
「 待ってる時間、凄くしんどいから点滴お願いしますって言われて、先生の許可取って、診察室の隣にあるベッドで点滴してたの。」
「 うんうん・・・。」
「 で、診察の時間になったからカーテン開けたら、見たのよ。」
「 何を・・・?」
「 点滴のチューブがひとりでに動いて、すぽっと抜けるのを・・・・。」
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