日々の恐怖 7月29日 飲食店の紹介の仕事(4)
無視して撮影続けて1時間くらい経った。
一発目の定食でシャッター押す前、モニターで店長と構図確認してたら、
フレームの左上からいきなり赤い何かがさっと入って引っ込んだ。
一瞬だったけど、見えたのは真っ赤に爛れてる手だった。
ひどい火傷した状態の手。
ただ被写体と比較すると実物はかなり小さいし(3歳児くらいの大きさ)、
店長も一緒にモニター見てるんだけど何も言わないから、
” 見間違いかなぁ・・・・。”
と思って続けて、また30分くらい経った頃、いきなり店長が、
「 も~。」
って呆れたように呟いて上を向いた。
で、厨房から戻ってくると小皿1枚。
” もしかして料理長が漬物間違えたかな?”
撮り直し勘弁、と思ったら塩盛ってる。
それ奥にちょこんと置いて、
「 すいません。」
と一言。
そんなことされても、苦笑いで、
「 いいですよ~。」
としか言いようがない。
でも、音はまだ聞こえていた。
「 あ~、う~。」
まあいいやと思いながら撮影終了した。
で、撮影終わって撤収する時に店長が塩回収したんだけど、表面が緑黒い。
ほんの2、3時間くらいしか経っていない。
” 衛生的に大丈夫か、ここ?”
と思って、ああだからこれだけスペースあるのに冷凍庫しかないのか、と合点がいった。
場所的には江戸時代は刑場だったとか、昔近場で火事があったとかいう話を聞いた。
その店だけじゃなく地下街全体、割といるという噂だった。
居心地よさそうだから、いついちゃったのかもしれないです。
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