大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道201

2009-03-13 20:27:57 | E,霧の狐道
 俺は落ち葉を掃いている初老のおばさんを見た。

「 おばさんも同じだね。」
「 そう・・・。」

おばさんはチラチラこちらを見ている。
 俺はそれを不審に思って井上さんに言った。

「 掃除のおばさんが、こっちを見てるよ。」
「 あの人は、昔から病院の掃除をしてくれているトメさんよ。」
「 トメさん・・・?」
「 あ、ホントの名前は容子さん。
 木下容子って名なんだけど、みんな、トメさんって言ってるから。」
「 どうしてトメさん?」
「 ん、分からない。
 昔からトメさんよ。
 掃除のトメさん。
 みんな言ってるから。」
「 掃除のトメさんか・・。」

そのとき、一棟の一階の窓が開いて若い看護婦さんが顔を出した。

「 井上さ~ん、ちょっと、手伝って下さ~い。」
「 えっ、何?」

井上さんは手を挙げて行くと合図をした。

「 えっと、ちょっとだけ待っててね。
 そうね、トメさんに相手をしてもらおうかしら。
 ちょっと、呼ぶね。
 トメさ~ん!」



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