ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

かもめ亭@浜松町

2008年02月28日 | Weblog
開口一番は春太で「道具屋」。
次に円十郎「宮戸川」。初めて聞く噺家。元お相撲さんかと思った。冒頭の締め出しシーンはかなり割愛してスタート、これはこれでスマート。大きな体でお花を演じる円十郎、もじもじする姿にぞっとしながらも楽しめる高座だった。
仲トリは遊雀で「風呂敷」。夫婦の悲喜こもごもをマクラで話して本題へ。遊雀独特のフラが聞いていて心地よいが、この人の目は怖い。博打打ちの目に見える。元師匠に別れたとはいえやっぱり端々にその影響がチラッと見える。それが遊雀流に毒が中和されて強過ぎないところがいい。益々聞きたい噺家のひとり。舞台袖でウェスタンシャツにジーンズ姿の遊雀が生粋の遊び人風でおかしかった。
最後に菊之丞「愛宕山」。この噺、時間をかけて練り上げているようで、何度も聞いたがよく出来ている。やや冗長な部分も感じられなくはないが、人物描写はしっかり色分けされている。まとまりが良過ぎる印象があるので、もう一歩、落語的な何か過剰な部分があってもいいような気がする。
全体的にレベルの高い、寄席の中堅所がそれぞれ個性を発揮した、最初から最後まで楽しい会だった。

談志落語会@赤坂区民ホール

2008年02月27日 | Weblog
まずしら乃で「権助魚」。師匠志らくの影響がかなり色濃く、独特の吸引力はあるが私にはやや忙しなく、聞いていて疲労する。
次に市馬で「片棒」。お得意の歌が見事に組み込まれ、市馬流の演出が見事に発揮されている。次男坊が提案する葬儀、父を模した山車のシーンは毎度ながら大笑い。完成度の高い高座。
仲入後松本ヒロの漫談。ころころ代わる総理大臣に翻弄される総理大臣物まねネタの苦労、時事ネタなどテンポ良く展開。
そして談志「天災」。風邪を引いたということで声の調子が随分悪いようだった。ジョークは珍しく少なめ。「天災」という落語を聞いているのではなく、談志という落語を聞いている、そんな境地。談志から溢れ出る落語の流れを感じる、それだけで落語の本質に触れることが出来るような、嬉しい気分になれる。

熊野最終日

2008年02月22日 | Weblog
朝4:30起床。5時からのお勤めに参加後、青岸渡寺の副住職であられる高木亮英さんのお話を円座になって聞く。今も修業のために山に入られるそうで、その荒行のせいか俗世界の汚れがすっきりと浄められたような晴れ晴れとした表情でいらっしゃる。一緒に参加した女性の話を噛みしめるように聞いていらっしゃる姿に、何とも言えない「大きさ」を感じる。何でも3月15日から7日間に及ぶ大峯奥駆の行があるそうで、日本のみならず世界からの参加者数150人!いつか参加してみたい。
朝食前に小雨が降る中、那智大社の撮影。人気のない境内を堪能できるのも宿坊に泊まったお蔭。朝食後、那智の滝、大門坂へ。那智の滝は、尊勝院の中から三重塔越しに眺めるのが一番フォトジェニックだ。滝だけだとその迫力が伝わりにくい。折しも水量が少なく滝の三筋がはっきり見て取れる。もう一つ残念なのは、滝に近づくことができないこと。どこもかしこも柵で囲われ、全てが人間によって管理されているような感を覚える。大門坂は、確かに美しいのだが、観音道や松本峠、或いは波田須の道が醸し出す「古道」的な雰囲気はあまり感じられない。
撮影はこれで終了。気になっていた「請川のお滝さん」へ。途中ややハードな勾配が続くが、徒歩20~30分ぐらいだろうか。岩に守られたドームのような場所で、一枚の大きな岩を流れ落ちる滝が現れる。その滝壷の美しいこと。ドーム状に岩が迫っているので、声が反響する。ここにいると妙に高揚し、祝祭的な気分になって踊り出したくなる。2人とも妙にハイテンション。熊野三山巡りを締めくくるに相応しい場所だった。
19:25南紀白浜発のJALで羽田へ。

熊野4日目

2008年02月21日 | Weblog
5時起床。日の出に間に合うように波田須へ。波田須は徐福が上陸したという伝説の地。徐福の宮を守るように立つ大楠の木がシンボリックだ。この日は、朝日がちょうど大楠の木の内部から産まれ出づるように昇ってきた。変わりゆく空の色をゆっくりと眺めながらの撮影。そして伊勢路である「波田須の道」へ。ちょうど光が射し始める時間帯、鎌倉期のものと伝えられる古い石畳の道が幻想的に浮かび上がる。
民宿「しずか」に戻り朝食。民宿を切り盛りするおばあさん手作りの素朴なおいしい食事だった。京都出身のおばあさんは粋な方。昔の苦労もけろっとした口調で、お話を聞いていて清々しい気分になる。もっと話していたいような、後ろ髪を引かれる思いで宿を後にして、新宮へ移動。
2時、速玉大社へ。鮮やかな朱で塗られた社殿が熊野の旅に色を添える。ここでのポイントが熊野権現の御神木とされる天然記念物指定のナギの大木。ナギの葉はとても強く、簡単に破けないことから、男女の縁が切れぬよう、また道中の魔除けとしてお守り代わりに身につけたそうだ。
大社前の駐車場脇のお土産を扱う小店が並ぶ一画へ。ここで販売していたみかんストレート果汁100%ジュース、すばらしい。1本1200円だが、その価値あり。以前南紀白浜の「とれとれ市場」で購入した「味一みかんジュレ」も傑作。特に、中に「てまり」のみかんが丸ごと一個入っているジュレは感動もの。この一画はレベルの高いお土産屋が揃っているので、時間がない時はここで調達するとよい。
本日のお宿、青岸渡寺の宿坊「尊勝院」へ。車での入口が分からずちょっと迷子になる。寒さを心配していたのだが、部屋には炬燵と石油ヒーターが用意されていて全く問題なし。宿坊だが、普段は特に精進料理というわけではないそうで、民宿のお食事のような内容。味は程よく量も適当、おいしくいただく。食事の後、「コーヒー欲しいんとちゃうか?」と声をかけてくれたり、隅々まで至れり尽くせり。もう一つびっくりしたのが、宿坊なのに禁煙ではないこと。禁煙覚悟だった愛煙家の相棒は大喜びだった。しかしこの宿坊の一番すてきなところは、宿を守る方々の優しさだろう。我々が取材だから特別扱いというわけではなく、全ての宿泊客に満遍なく気を配り優しい声をかけてくれる。想い出すたびにまた訪れたい気分にさせてくれる宿だった。


熊野3日目

2008年02月20日 | Weblog
7時起床。川湯を離れ熊野市を目指す。
まず、花の巌神社へ。ここはかなり強力なパワースポットらしい。高さ45mの巨石をご神体とする自然信仰の聖域として、また古事記に伝わる地として、古くから人々の信仰を集める場所だ。綱に結ばれた花々の色がわずかに残っていて、2月2日に行われたお綱かけ神事の名残が感じられる。年2回行われる神事、次は10月2日。
国道を挟んで向こうに広がる七里御浜へ。ここは砂浜ならぬ石浜。カラフルな小石が敷き詰められた浜、寄せる波で濡れた石はキラキラと光を跳ね返してここが熊野であることを忘れてしまう。大体、本宮から新宮への移動途中で、光が明らかに変化する。隠国としての陰の部分が本宮にあるならば、熊野は陽だ。震えるような寒さを覚えた本宮の朝は遠く、ここは既に春の陽気が溢れている。
11時、東紀州まちづくり公社の三石さんと合流、大迫町の「磯甚」へ。ここはおいしい郷土料理を味わえる店。お酢、米などの食材にもかなりこだわっていらっしゃる。特にここの「めはり寿司」は少しピリッとするカラシ菜がアクセントになっていておいしい。その他、サンマ寿司、サバ寿司などをいただき、お土産にポンカンまで頂戴する。
三石さんのご案内で伊勢路、観音道と松本峠を歩く。どちらも歩きやすく、それぞれ個性的な、美しい石段の残る古道らしい景観を楽しむことが出来る。
観音道は路傍にひっそりと佇む石仏を拝みながら歩くコース。途中、石の祠のような場所に石仏が数体まとまって安置されている場所まで歩く。ここは石と自然と人々の信仰が相まった感を与える気持のいいスポット。石仏の表情が優しく微笑んでいるように見える。
そして松本峠へ。こちらは展望台から七里御浜を眺めることが出来るポイントがお目当て。途中の石段には木の根っこが絡み、自然と人工物が溶け合っていく長い長い時の流れが感じられる。こちらの石段はとても重厚。所々でその厚さを実際に見ることが出来る。展望台への途中、竹林の中に立つお地蔵様の表情も柔らかく、貴賎を問わずあらゆる人々を受け入れた熊野という地の温かさ、懐の深さを至るところで感じる。
展望台から大本町へ下る。途中、里の風景が広がり、春の到来を告げる満開の梅の香りが鼻をくすぐる。大本町は昔ながらの漁村。古き良き生活が残っているように見受けられる。築120年の民家を利用した紀南ツアーデザインセンターへ。現役のかまど、美しい欄間が印象的な室内、そして土塀と庭など、建物だけでも見所いっぱい。地元作家の作品展示・販売や食品、熊野に関する情報なども扱っていて、活用度大。
撮影を終え、民宿「しずか」へ。こちらは1軒屋をまるごと借りることができるお宿。もともと来客用に建てられた離れだそうだ。建物は歴史を感じさせるが設備は近代的でとても快適。お庭を眺めながら縁側でゆったり過ごし、1日の疲れを癒す。





熊野2日目

2008年02月19日 | Weblog
5時起床。変則スケジュールにもかかわらず農家民宿はるにて朝食を用意していただき、早々に本宮大社へ出発。朝6時過ぎ到着。あたりは森閑として静まりかえっている。撮影していると、祝詞の奉納が始まる。その太鼓の音が、本殿に反響してこちらを包むように広がってくるのだが、それがまるで本殿に鎮座する霊的な何かがその祝詞に応えているように響いてくる。荘厳な空気が充満し、共鳴する音に縛られて、しばし動けなくなる。三文の得どころかプライスレスのすばらしい経験だった。
世界遺産センターへ。ここでは熊野の情報が非常にわかりやすく展示されており、情報収集には欠かせないスポット。疑問質問に応えてくれるスタッフも常駐しているようだ。主任の速水さんに御同行いただき、中辺路へ。まずは円座石。有名スポットなので大勢人が集まっているのかと思ったら、行き交う人はゼロ、撮影中人っ子一人現れなかった。以前写真で確認していた3つの梵字はほとんど消えかかっている。何でも以前は白いペンキで塗っていたらしい。撮影は厳しかったが、途中の苔むした石段はいかにも熊野古道っぽくって、往時の人々の行き交う姿が立ち現れてくるような幻想に捕らわれた。
そして発心門王子から水呑王子、伏拝王子、三軒茶屋跡まで案内していただき、湯の峰温泉へ。小栗判官の伝説が残る「つぼ湯」を撮影。ここは完全貸切スタイルになっていて、30分毎の入れ替え制。川を跨ぐように立てられた掘っ立て小屋はひなびた雰囲気で旅情をそそる。温まった後は温泉で卵を茹でる。卵のみならず大根やブロッコリーなど、色々なものが湯壷に入っていて微笑ましい。茹で上がるまでの待ち時間も地元の方々と談笑したりなんかして旅の思い出に色を添えてくれる。
速水さんと別れ、川湯温泉へ。冬季のみ運営されている川中に作られた仙人風呂へ。自然との一体感は格別。男女混浴だが、ここは水着OK。お湯の温はムラがあるようだが、自然のものだけにこれは否めない。
宿泊は「みどりや」。部屋は清潔で申し分ないが、食事は問題あり。ビュッフェスタイルなのだが、内容・プレゼン共に貧弱。量は少なくっても、もう少し地のものを使った郷土料理など出来そうなものなのに、工夫が感じられない。人員削減、コスト削減が露骨に見えてげんなりする。

熊野三山巡り

2008年02月18日 | Weblog
今日から4泊5日で熊野三山(本宮大社、速玉大社、那智大社)をめぐる旅。
8:30羽田発のJALで南紀白浜へ。日産レンタカーで車を調達、先日降った雪が心配だったのでスタッドレスタイヤの車を用意してもらう。
311号線で本宮へ移動。中辺路の「牛馬童子」を撮影。逢坂トンネルを越えてすぐの道の駅に車を駐車して歩く。ハイキングコース程度の軽い勾配の道を15分程歩くと到着。まだ地表にうっすら雪が残っている。明治に作られた比較的新しいものらしいが、その表情はあどけなくかわいらしい。牛の部分から童子の右手にかけてヒビが入っているのはちょっと心配。となりに鎮座する役行者、後ろに控えるお不動さんの石仏も表情がほんわりしていて一見の価値あり。
午後1時、熊野本宮大社へ。昼過ぎだけに、団体バスツアーの客で境内はしばしばごった返す賑わい。陽射しが強過ぎて撮影は翌朝へ繰り上げ、大斎原へ。大神神社の鳥居と比べるとやや小さく感じるのだが、きっとそれは周辺にその高さを比較出来るような人工物がないからだろう。畑の中ののどかな参道を歩き、鳥居をくぐると程なく大斎原。ここに本宮大社があったなんて想像出来ないが、洪水に耐えた大木の姿が往時を物語る。今となっては原っぱだが、ここは一遍上人が悟りを開いた場所でもある。当時は時宗、密教、修験者、さらには上皇、庶民までもがここを目指して来たわけだから、宗教的・階級的な制約を越えた純粋な祈りの場所として、特別な磁場が働いていたに違いない。きっと感じる人は感じるパワースポットなのだろう。
本宮大社前、「B&Bカフェ本宮」で一休み。景観にマッチしながらもこじゃれた雰囲気。お料理のメニューも充実している。個人旅行に利用してみたい宿泊施設。
そして本日のお宿、「農家民宿はる」へ。昨年の7月にも宿泊したのだが、家庭的な雰囲気で親戚の家に遊びに来たような気分。音無茶の畑に囲まれた1軒屋、1日1組限定で、お部屋は2つ、食事は囲炉裏を囲んでいただく。ここの名物はなんといっても宿を切り盛りするおじいちゃんなのだが、数日前から入院されたそうで再会は果たせなかった。しかしおばあちゃんと息子さんが真心こもったサービスをしっかり引き継いでいるので安心。今日の献立は鴨鍋を囲んで小皿が十数品。とても食べ尽くせない。そしてここのもう一つの楽しみがお風呂。ハードはごく普通の過程風呂なのだが、水がいい。おじいちゃんが8キロ先から自力で水をひいてきた、その甲斐あって水質抜群。ぽかぽかの体でぐっすり就寝。

談春独演会@町田

2008年02月15日 | Weblog
談春独演会@町田
談春の独演会としては珍しく空席がちらつく会。「来なかった奴に向けて演る」という家元流の意地か、今日の談春は素晴らしい出来だった。
開口一番でこはる「子ほめ」。
談春「野晒し」。まるで何かが乗移ったような、狂気の高座。談春が談春でなくなる瞬間の連続で度肝を抜かれた。フラがないという評判久しい談春の真骨頂、とまで言いたくなるぐらい野晒しの落語的狂気が余すところなく引き出されていた。
仲入後、「らくだ」。最初から最後まで緊張感が漂う中に、独特のユーモアが鏤められている。くず屋と丁の目の半次が酒を酌み交わすシーン、しばしば湿っぽい演出が他の高座では聞かれ、私にはそこがどうもしっくりこず嫌煙してしまうのだが、談春はくず屋と半次の立場逆転を巧妙に描く中で、くず屋がらくだから受けた数々のひどい仕打ちを告白するシーンを喜劇的に演出する。ゴーゴリ的な「悲劇→喜劇」への異化が見事で聞きほれてしまった。

談春独演会@本多劇場

2008年02月12日 | Weblog
春風亭昇太プロデュースの下北沢演劇祭にて開催された談春独演会、昼席・夜席2回公演。
まず談春と昇太の二人が高座で挨拶。二人の弟子比べから談春の元弟子最果ての地へと旅立った(?)春ダチョウの天然っぷりが語られる。
まず昇太が「力士の春」、次に談春「噺家の春」をリレーで演じる。「力士の春」は学校の授業シーンで終わるが、「噺家の春」は後日談までたっぷり。談志ファンの母と志ん朝ファンの父に噺家になるべくして育てられた松岡「美濃部」克由が小学校のクラスを巻き込みながら噺家としての道を順調に歩むまではいいが、親の期待を裏切って円楽党に弟子入りする。しかし目標を見失い、その苦悩を両親に打ち明けた結果、円朝という大きな目標を見つける。かなりの爆笑ネタに仕上がっている。古典のみならず新作でもその才能をいかんなく発揮する談春、ますます期待が高まる。
仲入後は「木乃伊とり」。登場人物のキャラがそれぞれ立っている。若旦那の母親の年齢不詳おばあさんキャラは健在、若旦那の性根の悪さも見事、飯炊き清蔵の朴訥さ、酔っ払いぶりが丹念に演じられている。酒を注がれる清蔵の掛け声、飲む時の奇妙な声が笑いを誘う。若旦那に説教をするシーンと一件落着して飲み直しが始まるシーンの色分けも鮮やか。
お祭りに相応しいネタで笑いの絶えない会だった。
早めの夕食を野田岩の下北沢店で。有名店であるにも関わらず店の佇まいは庶民的で敷居が低いので気軽に入れる。まずは白焼き(志ら焼)。純粋な鰻の旨味が口いっぱいに広がる。焦げ目なく見た目にも美しい。さらに鰻とフカヒレの茶わん蒸しで小腹を満たす。タレの甘みと卵のコンビネーション、きっと嫌いな人はいない。フワっとした鰻がたっぷり入っている。〆の鰻丼はそれなりに食べ応えはある。鰻尽くしで大満足。

金沢2日目

2008年02月09日 | Weblog
早朝、兼六園へ(http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/)。先日の雪が若干残っている。人もまばらな園内をゆっくり撮影。咲き始めた梅の木に野鳥の群れ、水場にはカワセミの姿も。あまりの寒さに耐えかねて、時雨亭で暖をとりつつお抹茶をいただく。茶席から眺める庭の風景は一見の価値あり。ここからしか見えない滝を眺めながらゆっくり体を暖める。兼六園で一番面白かった場所は翠滝。その流れは自然を見事に写している。鶺鴒島のあたりもいいですね。



次に西田家庭園へ行くが、残念ながら冬季休園中。気を取り直してタクシーで長町武家屋敷へ移動、野村家へ。庭の造りが不思議。縁の下を水が流れ、縁に沿うように飛石が配置されている。軒から2~3m先には崖があり、水の落下音が聞こえる(水は見えない)。庭石は自然石から加工石まで、ふんだんに配置されていて、物量にやや圧倒される。クエスチョンマークが頭に浮かんでは消え、浮かんでは消えする構造だった。


野村家前の和菓子屋「茶菓工房たろう」(http://www.sakakobo-taro.com/)で買い物。カカオ味の羊羹、不思議な食感だ。こちらで調達した芋とチョコレートの焼き菓子2種がとてもおいしかった。
次に兼六園に隣接する成巽閣へ(http://www.seisonkaku.com/)。その贅を尽くした建物の意匠に加賀百万石の威光を感じる。中でも、謁見の間の折上格天井と欄間、書見の間の紫色の壁と群青色の天井には圧倒される。
皆との待ち合わせ場所、兼六園の近所にあるカフェ「t・エリー」ヘ。高円寺あたりにあったらしっくりきそうな昔風アートな店内。客は私一人、入店すると巨大なストーブに火を入れてくれた。大量の煙とともに「ボッ」と大きな音をたてて点火した時はちょっと飛び上がった。ロイヤルミルクティーを注文。するとサービスで焼きリンゴが!これがとてもおいしい。昼ご飯がなければホールで注文したかった。
4人揃ったところで千取寿しへ。おまかせプラス地場ものをいただく。お腹一杯食べて(20カンくらいか?)9000円ぐらい。リーズナブルではあるが、特別金沢まで来て食べる寿司というほどでもないような、江戸風の寿司。昨日の「弥助」と好対照。
食後、二十一世紀美術館へ。噂には聞いていたが、子供から大人まで地元の人々で大盛況。この日は「荒野のグラフィズム:粟津潔展」が開催中。特別展よりも、コレクション展で展示されていた舟越桂の彫刻が見られてよかった。舟越作品が持つ目の力と透明感、引きずりこまれそうになる。
美術館を後にして、空港へ、帰路につく。