ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

熊野2日目

2008年02月19日 | Weblog
5時起床。変則スケジュールにもかかわらず農家民宿はるにて朝食を用意していただき、早々に本宮大社へ出発。朝6時過ぎ到着。あたりは森閑として静まりかえっている。撮影していると、祝詞の奉納が始まる。その太鼓の音が、本殿に反響してこちらを包むように広がってくるのだが、それがまるで本殿に鎮座する霊的な何かがその祝詞に応えているように響いてくる。荘厳な空気が充満し、共鳴する音に縛られて、しばし動けなくなる。三文の得どころかプライスレスのすばらしい経験だった。
世界遺産センターへ。ここでは熊野の情報が非常にわかりやすく展示されており、情報収集には欠かせないスポット。疑問質問に応えてくれるスタッフも常駐しているようだ。主任の速水さんに御同行いただき、中辺路へ。まずは円座石。有名スポットなので大勢人が集まっているのかと思ったら、行き交う人はゼロ、撮影中人っ子一人現れなかった。以前写真で確認していた3つの梵字はほとんど消えかかっている。何でも以前は白いペンキで塗っていたらしい。撮影は厳しかったが、途中の苔むした石段はいかにも熊野古道っぽくって、往時の人々の行き交う姿が立ち現れてくるような幻想に捕らわれた。
そして発心門王子から水呑王子、伏拝王子、三軒茶屋跡まで案内していただき、湯の峰温泉へ。小栗判官の伝説が残る「つぼ湯」を撮影。ここは完全貸切スタイルになっていて、30分毎の入れ替え制。川を跨ぐように立てられた掘っ立て小屋はひなびた雰囲気で旅情をそそる。温まった後は温泉で卵を茹でる。卵のみならず大根やブロッコリーなど、色々なものが湯壷に入っていて微笑ましい。茹で上がるまでの待ち時間も地元の方々と談笑したりなんかして旅の思い出に色を添えてくれる。
速水さんと別れ、川湯温泉へ。冬季のみ運営されている川中に作られた仙人風呂へ。自然との一体感は格別。男女混浴だが、ここは水着OK。お湯の温はムラがあるようだが、自然のものだけにこれは否めない。
宿泊は「みどりや」。部屋は清潔で申し分ないが、食事は問題あり。ビュッフェスタイルなのだが、内容・プレゼン共に貧弱。量は少なくっても、もう少し地のものを使った郷土料理など出来そうなものなのに、工夫が感じられない。人員削減、コスト削減が露骨に見えてげんなりする。