ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

宇治の茶商巡り

2010年04月27日 | Weblog
先日はお茶の生産地和束、そして今日はお茶の集積地であり茶商が居並ぶ宇治へ。あいにくのお天気だったが、お蔭で人通りはまばら。古い町並みには時雨がよく似合う。宇治の駅を出ると、いきなり茶壺型のポストがお出迎えしてくれる。今日は可能な限りお茶屋さんを回るつもりで朝食を抜いてきた。意気揚々と駅を出たものの、空腹でお茶を飲むと胃をやられて元も子もないので、駅正面に位置する中村藤吉本店にお邪魔してにしん茶そば(?)で腹ごなし。こちら150年の歴史を感じさせる堂々とした店構え。中庭には宝船を象った樹齢数百年の松の巨木がある。
宇治橋商店街を宇治橋方面に歩いていくと、右手にたいそう立派な門構えの茶商さんが登場。豊臣秀吉が愛した上林春秋だ。併設の上林記念館は、宇治のお茶の歴史や上林家に伝わる貴重な品々が展示されていて、お茶好きにはとても興味深いスポット。当時の茶問屋そのままの建物なので、鑑定のために備えられた自然光が入る窓と台が面白い!隣の茶店でおうすをいただき、数軒隣に位置するかんばやしへ。『上林』と『かんばやし』?素朴な疑問を感じ後者の売り子さんに聞いてみたところ、十数年前にご兄弟で別々の店を構えるようになったそうだ。



平等院表参道に入り、寺島屋彌兵衛商店へ。店内はお茶の香りが立ち籠めていて、思わず深呼吸してしまう。癒される~。薄暗い店内にずらりと並ぶ茶箱と提灯もムードたっぷり。おもしろ民芸博物館なるミュージアムも併設されている。
憩和井、伊藤久右衛門は修学旅行生らしき制服姿の若者で大賑わい。気後れして通り過ぎ、三星園上林三入本店へ。3軒目の上林・・・、一体全体どうなっているの??と興味津々で資料館へ。ちゃんと説明が書いてありました。三入さんは上林家を補佐した茶師で、その関係で当時から上林という姓を使用していたそうな。そのような家が他にもあるそうで、なるほど納得、疑問が氷解。喫茶室で挽きたての抹茶をいただき、宇治川対岸へ。
平等院表参道の喧騒が一変、雨に洗われた木々の新緑が瑞々しい静かな雰囲気。朝日焼の展示館は本日窯出しで臨時休業。そのすぐ隣の福寿園へ。ここでは手もみ茶体験や陶芸体験など、色々な教室が開催されている。上にはお茶を使った料理を楽しめるレストランもあり、1日ここで楽しめる。1階がショップになっていて、ペットボトルの「伊右衛門」とはまた違う、本格的なこだわりのお茶に出会える。
恵心院の橘は見事満開。宇治神社を越えると、これまた歴史を感じさせる建物が登場、宇治茶業会館だ。そのすぐ側、『匠の館』では宇治の高品質の玉露を楽しむことが出来る。日本茶インストラクターが丁寧に飲み方を教えてくれるので、初玉露体験をしたい人にはもってこいの場所。宇治で一番のオススメスポットだ。



最後に、通圓でお煎茶と最中をいただき、今日のロケハンは終了。
お腹ポチャポチャ、でも何度でも通いたくなる魅力的な宇治だった。

桜映える茶畑:京都・和束

2010年04月26日 | Weblog
『分福cha-maga』ロケハンと撮影のため、和束へ。京都・烏丸御池からレンタカーでの移動、和束に入った途端片側通行の山道をくねくね走ること1時間半。府道321が山から抜けると、途端に目の前に茶畑が!パッチワーク状に山々を覆う茶畑は、新芽がちょうど伸び始めた時期。柔らかい新芽が光を蓄えているかのようにキラキラ輝いている。



そして、遅咲きの桜がまだちらほら見受けられ、新緑の茶畑と好対照だ。



和束は桃源郷ならぬ『茶源郷』という名のもとに、積極的に地域活動を行っている。京都府景観指定地区にも登録されていて、その美しさは折紙付き。昔ながらの農村の穏やかな風景がどこまでも広がる和束。京都、というよりはむしろ奈良に近いが、時間をかけて行く価値のある場所だ。但し、農道はあくまでも仕事のための道。進入する時はくれぐれもご迷惑にならないように。そして道は極端に狭い。美しい茶畑に誘われ、どんどん深みにはまっていくと、にっちもさっちもいかない状況になってしまう。立ち往生しないように、安全運転出お出かけください。


京都嵯峨野→高山寺へ

2010年04月23日 | Weblog
京都は桜シーズンとGWに挟まれた閑散期。嵯峨野にあるアイトワ[http://www2.plala.or.jp/Machami/aightowa/]のエコライフガーデンの取材を済ませ、途中落柿舎の茅葺き屋根の渋い色味と菜の花畑の鮮烈な黄色のコントラストが眩しくて思わずカメラを向ける。大通りからタクシーに乗り込み、スカイウェイは使わず無料道路で15分ほどで高雄の高山寺へ到着(タクシー代2000円程度)。予想外に近かった!車窓からの風景も素晴らしく、山はツツジの紫、里ではしぶとくまだ花を咲かせている枝垂桜、そして新緑のやわやわしい緑が目を楽しませてくれる。とはいえ今日の京都は時折時雨れる冬のような1日。冬支度で大正解だった。

栂尾・高山寺は栄西禅師が明恵上人に茶を献上し、日本最古の茶園として天下に名を馳せた地。今も宇治の篤志家の方々によって茶園が守り継がれている。紅葉の時期は人で埋め尽くされる境内だが、さすがにこの時期の3時過ぎともなると閑散として行き交う人は片手で間に合う程度。しかも若い女性の一人旅が多い。歴女に人気スポットなの?そんな疑問も抱きつつ一目散に茶畑を目指す。それにしても、古刹の山寺らしい簡素美の世界。苔むした石段と杉の巨木に癒される。



この写真の左手に小さな茶畑発見!立ち入り禁止なので畑の中に入ることは出来ないが、雰囲気は充分に堪能できる。木々に囲まれて、すくすく新芽を伸ばしている茶の姿、何だか無性に愛おしい。どんな味わいがするのやら・・・。高山寺で作られたお茶は、献上されるものがほとんどだが、1部販売もされるそうだ。
国宝・石水院は上人時代の唯一の遺構。元学問所だったらしい。四方を新緑に囲まれ、野鳥の王国!蝉しぐれならぬ鳥しぐれ・・・。教科書でしか見たことのなかった明恵上人樹上座禅図、鳥獣戯画(複製)、伝運慶作・明恵上人愛玩の仔犬像も見応えがある。建築自体も素晴らしいが、建物の西側(?)の石燈篭と延段の庭園も美しい。燈篭の脇のシャクナゲが見事に咲き誇り、苔むした庭に色彩を添えている。清々しい空気で身体のアクを抜き、ふと気が付けばもう4時半過ぎ・・・。神護寺のかわらけ投げは次回に保留、かぁ。

写真展『Behind The Night』Encore

2010年04月20日 | Weblog
写真展の詳細が決まりましたので、お知らせいたします。
目白ゆうどで開催した展示プラス約20点、合計40点弱の作品数となります。
目黒にお越しの機会がございましたら、是非お立ち寄りください。

永妻亜矢子写真展『Behind The Night』Encore

開館期間:2010年4月27日(火)~5月2日(日) 11:30~18:30
会場:GALLERY COSMOS (ギャラリーコスモス)
   東京都目黒区下目黒3-1-22谷本ビル3F
   [地下鉄・JR目黒駅西口から目黒通りを山手通り方面へ。大鳥神社を越えて2つ目のビル3F。徒歩約10分]
   TEL 03-3495-4218
   http://www.gallerycosmos.com

私は4月30日~5月2日(16:00まで)在廊の予定です。
ご不明な点等ございましたら、コメントにてお問い合わせください。

どうぞよろしくお願いいたします。

驚異のしみ抜き術

2010年04月19日 | Weblog
先日、とある焼鳥屋さんで服にフライの油をつけてしまいました。
あ~、こりゃもうダメだな、と諦めていたら、「すぐに塩をふってもめばシミが消えるよ!」というアドバイスをいただき、速攻で試してみました。
シミの部分に小さじ一杯分くらいの塩をかけ、ひたすらもむこと1分弱。
おしぼりで拭いて、乾くまで放ったらかしにしておきます。
すると!魔法のようにシミが消えてる!!
塩が油を吸着いてくれるそうです。

服の素材が綿だったから、という理由もあるかもしれませんが、効果ばっちりでした。
教えてくださった皆さま、ありがとうございました。

ただ、私の席の周辺はザッラザラでした。
ご迷惑をおかけしました・・・。

写真展開催決定!

2010年04月15日 | Weblog
懸案事項だった印画紙ADOXが、今週頭にようやく成田に到着!
なんとかプリントが出来る=写真展開催に漕ぎ着けられることとなりました。
予定より10日ほど遅れての入荷で、かなりヤキモキしていたのですが・・・。
写真展は4月27日(火)から、5月の2日(日)まで、目黒のギャラリーコスモスです。
詳細は改めてアップします。

明日から追加プリント、暗室にお籠りです。
予定は3日間で27枚。
前回ゆうど写真展分プリント14カットと併せて展示は35~40枚を予定しています。

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夕食は西荻窪のイタリア料理屋「GORIZO」へ。
昔、善福寺に住んでいた頃よく利用していたレンタルビデオ屋の角を駅前通りから曲がったところに、いつの間にこんな店が!という立地にまず驚いた。
鎌倉野菜のサラダ、白エビとイカのセモリナフリット、鶏レバーのリエット、ブラウンマッシュルームのスパゲッティ、桜エビとタケノコとフレッシュトマトのパスタ、黒ムツのアクアパッツァ、そして食後に箱根のハーブ園直送のフレッシュハーブティーというオーダー。
最初に出てきた鎌倉野菜のサラダが素晴らしい。新鮮そのものの野菜がふんだんに盛られ、色もキレイで歯応えしっかり、味わいが凝縮されていて、食べることが楽しくなる。葉ものと根菜系のバランスも良かった。どのテーブルのお客さんもこれは頼んでいた。ということは名物なのかな?
スパゲッティはかなりアルデンテ。フレッシュトマトのパスタ(割れたマカロニみたいなショートパスタ、名前失念)はトマトとエビの甘みが全体を包み込み、パスタとソースの絡み具合も絶妙で、口に含んだ時の一体感が素晴らしい。全ての食材のいいところがしっかり感じられる。
どの料理も押し並べて好得点。今日は頼み損ねたけれど、タケノコとチーズのオーブン焼もおいしそうだった・・・。
店の雰囲気もカジュアルで気取ったところがなく、普段使いに重宝しそうだ。


御室仁和寺花盛り

2010年04月11日 | Weblog
午前中は『分福cha-maga』取材のため京都大学名誉教授の坂田先生のお話をお伺いする。
午後、京都伊勢丹のレストラン街で食事、と出かけてみたら、どこもかしこも長蛇の列。こりゃいかん、ということで、地下2階の老舗料亭のお弁当コーナーで和久傳の2段重ね弁当を購入、仁和寺へ向かう。
まだ3分咲きと聞いていたが、木によってはすでに満開のものもあり、3~8分咲きの御室桜が周囲を埋め尽くし、見事!有料貸席(1人300円お茶付きで終日利用可)に陣取りお弁当を広げ、ゆったり贅沢な花見を愉しむ。御室の桜は福々しい。花びら一枚一枚がふっくらしていて稚児のほっぺたを連想させる。香りもふうわり漂っていて、心の底から舞い上がるような高揚感が溢れてくる。桜はもちろんのこと、境内を紫に染めるミツバツツジもちょうど見頃だった。


瞬く間に時は過ぎ、慌てて次の目的地の千本釈迦堂「大報恩寺」へ。国宝に指定されている本堂は1227年に創建された当時のものだ。応仁・文明の乱から逃れた数少ない建造物、ということは全く知らなくて、お目当ては霊宝館に安置されている仏像群。鎌倉時代の仏師快慶、定慶らの手による仏像と至近距離から対面できる。個人的には定慶作、六観音像の中の十一面観音像に強く魅かれた。目の輝きが強く、一瞬射貫かれたような電光を感じて身動き出来なくなった。境内の枝垂桜の巨木は既に花盛りは終えていたが、枝垂の枝が地面をかすめ、時節には桜花の滝を想わせる。

千本釈迦堂から錦市場へ。既に閉店準備にとりかかる商店もちらほら見受けられる中、春野菜を物色。最後に行きつけのアンティークショップPro Antiques"COM"(中京区東片町616、京都文化博物館前)でポップな図柄のケーキ皿購入。五感の全てを満足させられる春の京都、1泊2日の旅でした。

京都庭園美の世界@梅小路公園

2010年04月10日 | Weblog
日本の造園界の第一線で活躍する庭師の方々による「京都庭園美の世界」と銘打った講演に参加するため、梅小路公園へ。全5回の講演の第1回目を飾るのは、円山公園の枝垂桜でお馴染の桜守、佐野籐右衛門さん。やんちゃ発言は80代半ばになられより冴えを増し、胸がすく気風の良さはいつも変わらない。桜を通して自然界の繋がりや多様性、人間がいかに自己中心的に自然を解釈し、分かったつもりで勘違いしているのか、そんなお話をお伺いした。花の時期は「花見、花見」と祭り上げられる桜。でも、桜にだって四季の変化があり、花を咲かせるためにずっと準備している。美しい時期だけ誉めそやすのではなく、桜を含めた周囲の自然に目をやり気を配り、その変化を肌で感じながら一緒に生きていくことが本来の人間の自然界の一員としての姿であるにもかかわらず、あまりにも自分勝手な物の見方でエコエコなんて言葉ばっかり振りかざしている。特に行政のやり方は目を覆うものがある。桜で町おこし、なんて言って桜を植えるのはよしとして、その桜が下手に据えられた支柱や鉄柵で傷めつけられて、無残な姿を露呈している。行政は植えっ放し、桜をただの人寄せパンダじゃないけれどただの「モノ」として扱っている。心がない。スライドで拝見した桜、幹に支柱が食い込んで痛々しい。植物も人間も同じ生物だ。植物には言葉がない、と思っている方々も多いと思うが、実は植物は二次代謝産物というコミュニケーションツールを持っている。もしも満開の桜の下で、桜の言葉を人間が理解出来たとするならば、花見、なんて気分を吹き飛ばす陰鬱な心持ちになってしまうかもしれない。桜が花を咲かせるのは人間のためではない。私たちはほんのちょっとその美しい姿のお裾分けに与っている。今年も花を咲かせてくれてありがとう、リスペクト、感謝の気持をいつも忘れないこと。さもなくば人間は滅びるまでだ。そんな籐右衛門さんのメッセージだった。


梅小路公園「緑の館」の庭。
「京都庭園美の世界」第5回目の講師を務められる井上剛宏さん作庭。

夕食はJR二条駅近くのイタリア料理Ca' del Vialeカ・デル・ヴィアーレ(中京区西丿京千本三条西入ル北、075-812-2366、月休)へ。有機野菜をふんだんに使ったヘルシーなイタリア料理で定評がある。ホワイトアスパラ(6本!)のチーズソース、ラゴールとか何とか言うフレッシュタイプのチーズとシチリア産トマトジャムのサラダとAコース(アミューズ、前菜盛り合わせ、魚介のパスタとチーズソースのパスタ、メインは肉か魚、デザート)、ドリンクで1人10000円(コースだけだと6500円)。この日のパスタはホタルイカにカラスミとウニがふんだんにかかったオイル系とゴルゴンゾーラのニョッキ。メインに仔羊のグリル。デザートは盛り合わせでブラッドオレンジのソルベとティラミスとパンナコッタ。コストパフォーマンス、満足度共にとっても高いレストランだった。裏、返します。

花盛りの入間市へ

2010年04月06日 | Weblog
日本茶ウェブマガジン『分福cha-maga』(http://bunbukuchamaga.com)の撮影のため、入間市へ。
桜と茶畑の景観を撮りに、希少な晴れ間を利用して出かけた。
読みは見事に大当たり!
春爛漫のうららかな景色は理屈抜きで心を踊らせる。
茶畑の写真は誌面でお楽しみいただくとして、周辺のお立ち寄りポイントから桜の景色をほんの少しだけご紹介。


桜山展望台の足下、桜に囲まれてお弁当を食べる地元の人達の姿を多く見かけた。
ここから、狭山茶の主産地金子台の景色が一望できる。


用水路は桜の名所として知られる霞川へと続いているようだ。

その他、豊泉寺の池泉回遊式庭園、鎌倉時代創建の蓮華院、さらに時代を下って奈良時代創建といわれる出雲祝神社と神社仏閣を巡り、近隣の茶畑の撮影を無事終了。

入間市博物館敷地内にあるレストラン『茶屋町 一煎』は安くて美味しい。しかもほとんど手作りで、出来合いのおかずを使っていないところがスバラシイ。ただし、桜の時期はかなり待たされるので時間に余裕を持って出かけないと精神衛生上あまりよろしくない。今日は2時過ぎに入店したので、お目当ての定食は完売(悲)。ご飯物は時間がかかりますよ~というサービスの女性の言葉に従い、一煎うどん(けんちんうどん)を注文。細めだけどしっかりコシのあるうどんに、具がたっぷりで630円!お茶の葉を使ったメニューもあるので入間市にお出かけの際は是非!


春のティーパーティー@府中、郷土の森博物館

2010年04月04日 | Weblog
毎年恒例、NPO法人『喫茶人の会』主宰のお茶会へ。
厚い雲に覆われた寒空の下、1席300円のチケットを3枚購入してお目当ての茶席を目指す。

まずは日本茶インストラクター同期の『お茶とハーブ』の席へ。
メインとなるお茶を3種類から選び、それにハーブ6種から数種、自由にブレンドする。
私は静岡・錦園のほうじ茶をメインにし、カモミールとローズをブレンド。
ほうじ茶だけでも充分美味しいのだが、ハーブをブレンドすることで味と香りが劇的に変化する。
1煎目はほうじ茶のみ、2煎目でハーブをブレンドするので、一石二鳥!(?)
ガラスの急須で淹れると見た目にも美しく、癒し効果アップだ。



次に、モロッコのミントティーの茶席へ。
この茶席、喫茶人の会の理事の方が設けているのだが、プレゼンテーションが素晴らしい!
モロッコからわざわざ持っていらした儀式用の円錐状に固められたお砂糖、それを割るためのアンティークトンカチ(!)、タジン鍋、水タバコ、シルバーの盆に並ぶ色とりどりのガラスコップ・・・、まるでプチ・モロッコだ。
ミントの香りが口腔を心地よく刺激する甘いミントティーに、手作りのパウンドケーキ。そしてフランスパンにつけて食べてね、と出されたアルガンオイル、初めて口にした・・・。って、アルガンオイルって美容によい、皮膚につけるものとしては知っているけど、食用は初めてだ。とってもフルーティーで青臭さや嫌味が全然ない。
席に着いた人達から飛び出す質問にもユーモア交えてお答えいただき、視覚・味覚・知的好奇心の全てを満たしてくれるとても愉しい席だった。



まだ2席しかまわっていないのに、既に終了間近・・・。最後に中国茶の席へ。しっかり焙煎された木柵鉄観音、2煎目から混ぜていただいたのだが、雑味のないこくのある味わい。強く焙煎された鉄観音、普段はあまり得意ではないのだが、ここでいただいたお茶はとっても美味しかった。

実際に野点の茶会に参加したのは初めてだったのだが、プレゼンは派手なくらいが丁度よいのだな、と思った。
広くて抜けのよい屋外、こじんまりしていると全然目立たない。周辺に溶け込み過ぎて、地味に沈んでしまう。
モロッコのキラキラしたシルバーのティーポット、これは人目を惹きつける。
短い時間しか参加できなかったけれど、モロッコミントティーの席は終始人だかりが出来ていた。

今日は寒かったから、熱いお茶をたっぷり飲める、それも茶席の誘因材料になったかもしれない。

場所と雰囲気、客層、ニーズ・・・、色々なケースに柔軟に対応しながら愉しい席を用意する、まだまだ引き出しが足りない自分に気付かせていただける貴重な機会となった。

花盛りの郷土の森博物館、昔の建築物が多く展示されていて、1日楽しめるスポットだ。
尋常小学校の校舎から満開の桜が見えて、うっすら郷愁を感じた。