5月30日に共同通信社が配信した記事に注目した。タイトルは「「だまされた」と保守派が抗議 慰安婦映画「主戦場」」
日本軍性奴隷制についての話題の映画「主戦場」に登場した日本の加害を否定する学者らが、だまされたと記者会見を開いたというものだ。長くない記事なので、全文紹介する。
「旧日本軍の慰安婦問題を扱った公開中のドキュメンタリー映画「主戦場」の中でインタビューに答えた学者らが30日、東京都内で記者会見を開き、「大学院生の学術研究に協力したつもりが、保守をたたくプロパガンダ映画になっている。だまされた」と抗議した。今後、法的手段を検討するという。
「主戦場」は日系米国人ミキ・デザキ監督(当時は上智大院生)が製作。保守派の論客と、元慰安婦の支援団体や研究者らにインタビューを重ね、それぞれが主張する構成になっている。
会見したのは、慰安婦制度に問題はなかったとする立場で映画に出た「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝副会長ら3人。」
だまされたと主張する学者たちに対して、映画を作ったミキ・デザキ監督が反論している。https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=6WdVrzp40bg
映画「主戦場」は私も映画館に足を運んで観た。非常によくできた映画だと思った。しかし、日本の加害を否定し歴史を修正、被害者たちを「売春婦だった」などとおとしめる者たちの主張を長く聞かされて、気分が悪くなったのも事実だ。
記者会見を開いた学者たちのこれまでの言動がどれだけ被害者のハルモニたちを苦しめてきたのか。朝鮮が解放されて70年以上がたった今もハルモニたちはなぜ苦しまなければならないのか。
自分たちはだまされたと言うが、被害者のハルモニたちは日本にだまされたために地獄のような日々を送らなければならなかったのだ。これ以上、愚かな言動によって被害者を苦しめないでほしい。
そういう者たちを生み出す土壌が日本社会にある。そういう者たちの言動を肯定する多くの人間、勢力が日本社会にいる。ヘイトスピーチが蔓延する日本社会がある。それが一番の問題だ。
「主戦場」、ぜひ劇場で観てもらいたい映画だ。(k)