日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

朝鮮の水害に思う

2012-08-08 09:00:00 | (K)のブログ

 朝鮮民主主義人民共和国で水害による被害が広がっている。
 朝鮮中央通信が8月4日に伝えたところによると、朝鮮各地で6月末から7月末の間に、台風や暴雨などによる洪水で、169人が死亡、144人が負傷し、400人の行方不明者が出ている。平安南北道、慈江道、咸鏡南北道をはじめ各地で、8600余戸の住宅が全半壊、4万3770余世帯が浸水被害を受け、21万2200余人が家を失ったとしている。

 洪水被害による169人の死亡者、400人の行方不明者というのはとてつもない数字だ。現地はどうなっているのか、救援活動はいかに行われているのか、何年もの間、朝鮮での水害被害の報道があるが対策はどのようにとってきたのか…など、気をもむことがらが多い。できるなら現地に入り自分の目で見たいと思うが、それができないだけに、かえって心が落ち着かなくなる。

 朝鮮だけに限らず、日本の九州でも、毎年のように水害が起こり、毎年「観測史上最大」などと報道しているように思える。ここ数年の夏の暑さも異常だ。子どもの頃の夏と今の夏は次元の違うものになったような気がする。

 それが地球温暖化と言われるものによるものなのか、地球のこれまでのサイクルの一環によるものなのかわからないが、「たまたま一時的に気温が上がり雨の量が増えているだけで、またおさまるもの」ではないような気がするのだ。


 昔、朝鮮に長期滞在していたとき、農業のまねごとのようなことを体験した。畑を耕しトウモロコシなどの種をまき肥料をやり雑草を取り収穫する。一番最初の作業のときに、哲学を教えてくれていた先生が言ったことが忘れられない。
 「農作業をすることで、土地に対する愛着がわく。晴れが続いても雨が続いても、大丈夫だろうかと、少しの天候の変化にも土地や農作物のことが心配になる。そういう具体的な思いが祖国に対する愛情になっていく」

 そのとき以来、日本に戻っても、自分の住んでいる場所の天候とともに朝鮮半島の天候も気にかけるようになった。と書いているうちに、朝鮮に行きたいという気持ちがまたふつふつとわいてきた。

 それにしても、毎年のように起こる水害、何とかならないのだろうか。今回、被害を被った朝鮮や日本の被災地が1日も早く復興することを願いたい。(k)