日本軍「慰安婦」問題の解決を求め、被害者のハルモニ(あばあさん)たちや支援者らが、ソウルの日本大使館前で続けてきた「水曜集会」が、今日で1000回目を迎えます。
第1回目の「水曜集会」が行われたのが1992年1月のことでした。約20年間も続けられてきたわけです。
1000回目の「水曜集会」だということで、ソウルはもちろん、東京をはじめとする日本の各地、世界各地でも同時行動が行われます。 私は、11時半から日比谷公園(霞門)で開かれる集会、外務省を包囲するアクションなどに参加します。詳しくはこちらのHPをご覧ください。日本軍「慰安婦」問題についての詳しい説明も読むことができます。http://restoringhonor1000.info/index.html
12月10日の日刊イオで(淑)さんも書いていますが(http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/0f6c4ed4f92d9075e5511356ca5658fa)、「水曜集会」は1回でも早く終わらせなければいけなかったものです。
日本軍「慰安婦」問題が解決せずハルモニたちの恨(ハン)が解消されないのは、全的に日本が過去の国家犯罪をいまなお正式に認めず、誠意をもって謝罪せず、具体的に補償していないからです。これは日本軍「慰安婦」問題だけではありません。強制連行・強制労働、土地や米、資源、文化財などの収奪、言葉や名前を奪い民族を抹殺しようとしたこと等々、あげればきりがありません。
私には、日本がハルモニたちをはじめとする被害者がすべていなくなるのをじっと待っているとしか思えませんが、たとえすべての被害者がいなくなったとしても、日本の罪は消えることはなく、逆に時間が経てば経つほど罪は大きくなっていきます。
いま日本は、目に見えて右傾化していますが、根本は過去をきちんと清算しなかったから、そのツケがどんどん膨らんでいるから。たとえはあまりよくありませんが、ひとつ嘘をついた人間がその嘘をごまかすためにどんどん嘘をつかなければいけなくなる、そんな状況が今の日本なのだと思います。
教科書から記述をなくそうが、排外主義者たちがどれだけ侮辱的な言葉を繰り返そうが、被害者のハルモニたちが訴え続けている事実を消すことはできません。
いま日本は、高校無償化、補助金の問題で朝鮮学校の教育内容や肖像画のことなど、また、「朝鮮学校に支給された自治体からの補助金が、朝鮮総連へ還流されている実態が明らかにされている」などの事実無根の事柄を並び立て、在日朝鮮人の正当な民族教育を弾圧しています。これはすでに、朝鮮学校に対する「差別」という段階を超えて、弾圧です。
昨日、東京都が「私立外国人学校教育運営費補助金」を予算計上し都議会で承認されたにもかかわらず、朝鮮学校に対してのみ昨年度と今年度分の支給を停止している問題で、学校法人東京朝鮮学園が会見を行いました。その時に出された談話が朝鮮新報の電子版に掲載されているので参照してください。
http://jp.korea-np.co.jp/article.php?action=detail&pid=52670
被害者のハルモニの訴えを無視し続けることも、朝鮮学校に対する弾圧も、その根っこは同じです。ポコポコと湧き出る個々の排外主義者や歴史修正主義者やそれによる現象を、個々に批判しても問題は解決しません。
ここで何度も書いていますが、日本が過去を清算しない限り根本的な解決はありません。 日本軍「慰安婦」問題も朝鮮学校に対する弾圧も、日本人自身の問題であり、今の状況をそのまま放置するなら、嘘に嘘を重ねていくと破綻してしまうように、日本自体が破綻するでしょう。(k)