岳遊のひとり言

日々の暮らしに農作業や好きな山登りのことなどを伝えていきたいです。

保険未払い分が戻ってきて

2008-03-06 23:07:22 | 山登り
今朝は雪は止んでたが氷点下、昨夜通った猫の足跡が化石のようになっていた。 畑の大根も残り少なく、明日、明後日でお終いにしようと思う。

午後に僕が所属する山岳会の会長 S が尋ねてきた。2001年の冬山遭難で請求棄却された山岳保険が一転、申請し直しの上支払われてきたとのことで、僕の受け取り分を持ってきてくれたのだった。

先般保険金の未払い問題が、マスコミ等で取り上げられ、大問題になったが、正にこれである。

2001年、僕ら5人パーティは冬の剣岳を目指して入山したが、翌日からの荒天で結局10日間身動きとれず足止めを喰うことになったのだ。

このとき僕らの会でも救助隊を結成し下からサポートに上がり、折からの遭難ラッシュと相成って世間を騒がせた年でもあった。

下山後、僕らの会は当然の権利として加入してる保険会社に下山までの掛かった費用等を請求したのだが、僕らが最終的に山小屋に辿り着いたことを理由に遭難とは認めないという回答をもらった。

為に、救助にきたヘリやお世話になった小屋の関係者の方々にサポートに回ってくれた方々の日当などの支払いを全て自腹を切っていたわけで、皆は、何で出せんのや、何のための保険なんだと憤っていたものだ。

それが今回、皆さんご存知のように未払い問題が浮上し再度申請の上、支払いと相成った次第なのだ。 僕に言わせれば未払いというより、詐欺ではと思っている。 難くせをつけ最後は応じない、ヤクザ社会より悪い奴らだと思う。


ただ、こんな事を書くととやかく言われそうだが、あえて言わせてもらうと。

僕らは猛烈な吹雪の中一歩も動くことは出来なかったが、携帯した無線機で下界とは連絡を取り合っていたし、最終的には小屋に辿りついて天候が回復したら自力で下山とまで見込んでいたのだ。

そんな最中、僕らの周囲では本当の遭難事故が続発していて、対応に当たっていた県警山岳警備隊のヘリや消防本部のヘリが万が一を警戒し、僕らをついでと言ってはなんだが最後に乗せるから待機してるようにとの連絡をもらい、事の次第となったわけだ。

で、下山してからは新聞には載せられ、邪険に応対した北陸○日新聞には手痛く扱われるし、数年後には○渓から出版された或る本の表紙に僕の写ってる写真が勝手に使われ、抗議して次の月刊号で謝罪して下さいとの申し出に、分かりましたと言っておきながらいまだ何の音沙汰もない。

だから今回の保険騒動は、世話をやいてくれた仲間には悪いが正直、もうほっといてくれと言いたかったのだ。 これ以上語ることは出来ないが、僕の心の中ではあの時の事は もう済んでいるのだ。

保険会社には、会の若い仲間が崖から転落事故を起こした際にも払ってもらえなかった事や、これまでも疑わしいことは多々あり、正直それらを払ってやってほしい。