Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

Rainy Musk ~終わりと新たな始まり~

2008年09月09日 | Season's Special


昨日の昼下がり、Rがお昼寝するそばでドアを開け放してアイロンをかけながら、空気が夏のしっとりしたものから秋のからりと軽いものに変わっているのに気がつきました。温度計が差すのはまだ30℃の上。けれども風は確実に、次の季節のそれへと姿を変えているのでした。

ひとつの季節が終わり、新たな季節が始まる。…九月。


この夏は私たち親子にとって、活動の季節でした。今まで3年近く住まった実父母の家を出て、独立。
夏休みの前半をかけて、大量の汗を流しつつアパートの一室に引越しをしました。一年生のTは毎日学校のプールに行って真っ黒に焼け、その日焼けのまま、私たち親子は、夏休み後半の“旅”へと突入しました。車ごとフェリーで行く、川崎への旅。目的は『離れて暮らしているパパに会うこと』です。

Rが生まれて以来、大した旅行など連れて行ってあげることができなかったので、そろそろ何か楽しいことをしてやりたいとは思っていましたが…夏休み直前に思い立って、引越しが終わると同時に旅に出ました。フェリーの手配から先立つものまで…何から何まで、全てが祝され、守られました。

語りつくせないほどの夏の思い出を胸に新学期にあわせて帰宅し、私たちは新しい住まいでの新しい生活を始めました。なにせ最後の荷物を新居に放り込んで、あわててフェリー乗り場に駆けつけたので、帰って来た早々ダンボールの山との格闘です。この二週間はとにかく片付けに明け暮れていましたが、やっと『山』を攻略し、それなりに人間らしい生活が戻ってきました(笑)

実は私たち、ここに住まうのはたったの半年間。部屋を探し始めた時から、それはもうすでに決まっていたことでした。なぜならこの場所は、次のステップに進むための、いわば中継地点という場所だから。
来年春にはまた引越しです。こんどは、そう。夫のいる、そして愛する人々のいる『自分の本当の居場所』川崎へ。

家財道具を買い足して、たった半年の為にどうしてこんなに労して引越しを…と、一見無駄に見えるようなこのワンステップ。でも案外、私の中ではこのワンステップが重要です。ひとつの時代が終わり、新たな始まりを歩み出すために、鎮まって自分の心を澄ませるための半年間。誰にも心を揺らされないで、静かな独りの時間を持ち、その中で自分の心を次に向けて整えることのできる空間。神の声に耳を傾け、自分の次の一歩を確認するための必要不可欠な準備期間。
神が、このステップを良しとして与えてくださろうとしている…引越し中、常にそう感じていました。部屋を探す、必要なものを揃える…そんな全ての過程の中で、速やかで的を得た必要の満たしが、常に私たちと共にあったからです。

出先で素敵なタイルトップのキッチンカウンターに出会い、車にギュウギュウ詰めにして帰って来たり、またある日の朝にはふと目にしたチラシに載っていたラタンのチェストに一目惚れして、開店前の店に駆けつけたり…。
日々の日常を過ごす中で、あんな形、こんな形で私たちの今の身の丈にあったモノたちに出会っていくのは、本当にエキサイティングな体験でした。まるで神様が私たちの新たな生活をコーディネイトしてくれているかのよう。
助け手も、あらゆる場面に絶妙なタイミングで与えられました。たとえば困っている時に限って現れて助けてくれる大家さんに、Tは『天使のおじちゃん』と名をつけました。


実は2ヵ月ほど前から、教会も今までと別のところに行っています。
『母が行っているから』というきっかけで通っていた今までの教会に別れを告げ、今度は『自分が行きたいから』という理由で、大分市内の友人のお父様が牧師を務める教会へ、これも半年だけですが通うことになりました。今までの教会と違って若い人が多く、ゴスペル賛美のさかんな教会。子供たちも沢山いて、教会学校も充実しています。
『教会をかわる』という、自分でも思ってもいなかった行動に私を導いてくださった神。物理的には今までの教会にとどまることの方が、メリットもあり無駄もないはずでした。このガソリン高騰の時代に、わざわざ高速道路を40分も走って教会に行くことは、思えば実に贅沢なことです。
人間の分別で考えれば、私は教会をかわることはなかったことでしょう。今までの私の『常識』がきっと私の内なる声を否定して、なんの疑問も持たぬまま終わっていたはずでした。
けれども神は、ものすごい力で私の手をぐいっとひっぱり、天使の翼に乗せて新しい場所へと運んでくださいました。その教会での礼拝の度に、私は聖なる霊の臨在に触れ、大量の幸せな涙を流して帰ってきます。乾いたスポンジが水を吸うが如く潤い、潤うにしたがって私は、自分の渇きのいかに深刻だったことを確認しています。

自分の大切な人に合っているものでも、それが必ずしも自分にも合うとは限らない。私は、他の誰にも影響されたり他人の都合を取り込んで自分を変えたりすることなく、等身大の自分をきちんと見つめて自覚をし、そしてそれにふさわしいものを選ぶことの大切さを知ったのです。
…同じ神の兄弟としての子供たちの交わりの中に、TもRもすぐに溶け込んでいきました。この子たちもまた、期せずして今までの乾きを癒しているのかもしれません。


実はこの教会からすぐのところに、以前お話したショッピングモールがあるのです。山奥から出てきて礼拝をし、再び山奥での生活に帰る前に、ここにちょっとだけ立ち寄って、しばし都会の空気に触れていく。都会で育った都会のネズミである私にとって、実はこのことがとても大切な活力源になっていることに、今更ながら気がついています。
…そうして霊肉共に活力をもらい、また天使の羽にのって私たちは山奥へと舞い戻る。これから半年は、そんな生活を続ける予定です。

つい一昨日もTに車の中でDVDを観て待っていてもらい、30分だけお店を見て回りました。良い香りに出会うべく大好きなクラブツリーの店を冷やかして、ついでにその隣りのお店も覗いたのですが、そこで、運命的な香りとの再会を果たすことになろうとは。

インセンスのコーナーに、昔好きだったRainy Muskという名のお香を発見。結婚する前、一人暮らしの部屋でよく焚いていた香りです。パッケージのイラストは少し変わっていましたが、もう忘れていた遠い記憶を手繰り寄せるのに、そう時間はかかりませんでした。
帰りの車の中で、箱の外まで漏れる香りを懐かしく嗅ぎながら、箱ウラの、そのお香にまつわるメッセージを読みました。


Rainy Musk (終わりと新たな始まり)

主原料 : ビャクダン 香料 エッセンシャルオイル

守護星 : 火星 金星 水星

ヒーリングイメージ : 嫌なことを全て洗い流してくれる爽やかな雨の香りで、本来のあなたを思い出させます。

香りの伝説 : 戦いに敗れたケルトの勇者が、天に新しい力(希望)を願いました。天は雨を使って聖なる力を勇者に授け、新たな伝説が始まったと伝えられています。 


…なにやら、今の自分にシンクロするようなことが書かれている、と、不思議な思いがしました。
『終わりと新しい始まり』 『洗い流してくれる雨』 『本来の自分を思い出す』 『新しい力(希望)』 『新たな伝説』…等々。


六月生まれだからか、雨が好きな私。雨には涙と同様に浄化作用があると、ずっと思ってきました。
神はしばしば、こういう風にして私にパーソナルなメッセージをくださいます。それは愛と希望にあふれ、私の背中をそっと押してくれる。だから、私は地上に存在するあらゆる物事の隠れた意味を、ひとつでも多く知りたいと思うのです。占星術も、花言葉も、誕生石や字画なんかに秘められた意味すらも、私にとってはすべて神からの、私への愛の深さを知るために大切なツールです。

今の自分に起きていること…それはまさに『終わり』、そして『新しい始まり』。


『夏』が終わり『秋』という新しい季節が始まる。それは『種まき』を終えて『収穫』の季節を迎えることをも意味しています。わけもわからず、泣きながら蒔く時期には、終わりがやって来るのです。そして、新しい季節が始まる。『収穫』という名の、喜び歌う季節が。


…そうそう☆そしてこのGabbie's Cafeも、来月で開店3周年を迎える予定です。3年、一区切り。そして新しい3年が幕を開けようとしています。そう、御心ならばまた3年、天使のように日々の天来の恵みを綴れたなら…そこには何が書かれるのだろう。楽しみでたまらない、店主なのでした。