真空管アンプでの遊びの一つに「球転がし」があります。「球転がし」といっても子供のボール遊びではありません。では、大人の玉遊び・・・いや、そっちでもなく、真空管(球)をいろいろ差し替えて音色の違いを楽しむ遊びです。
今日は、自作した300Bアンプの出力管を差し替えて遊んでみました。球といっても同じ300Bは、手持ちが今使用中のチャイナのものしかなく、残念ながら本家WEは持っていません。なので、今回は別の種類の球に差し替えて遊びました。
差し替えに使ったのは、本家WEの275Aです。昨日、トランスのタップを変えてB電圧を低く抑えましたが、これは、275Aに合わせるために実施したものでした。まずは、その姿をご覧ください。
300BのようなST19のバルブサイズよりも一回り小さい、ST16ですが、十分貫禄があります。
試聴は、オーディオマニア間で有名な有山麻衣子「幻のコンサート」。その天使のような歌声は、真空管アンプの音質確認にはもってこいのCDです。歌声のみならず、ホールの背景ノイズまでもが、アンプの特徴を確認するのに役立ちます。
そして、聞き比べを行いました。が、あまり他人のアンプの音質云々に興味ある方は少ないと思いますので、簡単に記載します。
300Bは、やはり大型管だけあって、音がゆったりとしているような感じがしています。ゲインも300Bの方が高く、275Aは不利ですが、300BはCDに含まれている背景ノイズも”ゴォー”という感じで響いています。275Aは、やや神経質、線が細めで300Bに比べるとやや硬い印象があり、生真面目にきっちり鳴らしている感じ。背景ノイズは、300Bの”ゴォー”ではありません。もう少しおとなしく”コォー”という感じです。なんだか表現的には275Aが不利ですが、とんでもありません。ゆったり感が好きな方は300Bを推すでしょうし、線の細い華奢な感じの音が好みの方は275Aを推すでしょう。有山麻衣子の天使の歌声は、実際にはどちらの球の音が近いのでしょうか。ぜひ生で聞いてみたいものです。
ということで、異種菅での「球転がし」をやってみました。なお、この球転がしは、6A3でも可能です。フィラメントに6.3Vが必要ですが、多少下がってもエミッションは十分出ていますので、問題ないでしょう。
300Bのアンプを持っていて、275Aもお持ちの方は、アンプのB電圧を300V前後に下げて、275Aに差し替え(※)て遊んでみてください。
ではまた~。
(※)固定バイアスの場合は、適切にバイアスを調整して差し替えてください。
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