今年も桜の季節がやってきたが、天候不順により、開花予想、満開予想が例年とは大きく異なり、ほとんど外れる状況となっている。河津桜もかなり開花が遅れたし、ソメイヨシノの開花も大幅に遅れている。東京の開花も24日までずれ込み、各地で桜が全く咲いていない中で、さくら祭りが始まっているという悲惨な事態である。目黒川のクルーズによる花見もすでに運行されているが、22日の段階では川沿いの桜は全く咲いていないし、名所御殿山の桜も同様である。
我が地元の卓球クラブのお花見も24日に計画しているが、恐らく桜は全く咲いていない中での宴会となりそうである。「花より団子」かも知れないが、個人的には満開の桜の鑑賞を優先したいので、準備等で難しいものの、可能なら日付の柔軟な対応を最優先したいところである。29日には、子供家族の親族が集まり、洗足池でお花見を計画しているが、桜自体はほぼ満開となっていることが期待されるものの、雨模様という予報もあり、どうなることやら。。。
桜の名所は、地元品川だけでも、御殿山や目黒川はじめ50カ所以上あり、3年前には、ほとんどすべてをこの目で見て回り、満開の桜を楽しむことができた。その模様は、「しながわ桜名所50選」として、ユーチューブも作成している。また、桜というと必ず口ずさん出てくる曲が、竹内まりやさんの「人生の扉」である。曲も素晴らしいが、「満開の桜や色づく山の紅葉を この先いったい何度 見ることになるだろう ひとつひとつ 人生の扉を開けては 感じるその重さ ひとりひとり 愛する人たちのために生きてゆきたいよ」という歌詞が桜を見るたびに頭に浮かび、ジーンと人生の無常を感じるのである。
無常と言えば、若き日の親鸞聖人(松若丸)が9歳の得度式(出家の儀式)の時に詠んだ「明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」という無常の歌も心に響く。満開に咲いている桜を見ているとこの無常の歌もつい思い出す。この歌の意味は、「今美しく咲いている桜を、明日も見ることができるだろうと安心していると、夜半に強い風が吹いて散ってしまうかもしれない」ということで、先延ばしはよくないという教訓というか悟りである。9歳にしてすでに悟りの片鱗を見せていたことは驚くばかりである。今年も桜の満開を嫌というほど目に焼き付けておきたい。
画像は、葛飾北斎『富嶽三十六景』の「東海道品川御殿山ノ不二」
しながわ桜名所50選(「人生の扉」の曲に乗せて):https://www.youtube.com/watch?v=g5YHNbaaTqo