カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

マンリョウ

2023年01月05日 08時00分00秒 | サクラソウ科
Ardisia crenata
パブリックドメイン

昨日のセンリョウ(Sarcandra glabra)に続き、今日は、マンリョウ(Ardisia crenata)です。

和名 マンリョウ(万両)
別名 アカギ
別名 ヤブタチバナ
サクラソウ科(Primulaceae)ヤブコウジ属(Ardisia
学名 Ardisia crenata
英名 Christmas berry「クリスマスのベリー」
別名 Coralberry「珊瑚のベリー」
原産 インド、東アジア、日本(関東以南)

マンリョウ

センリョウとマンリョウは、「センリョウ、マンリョウ」と並べて称され、両者とも赤い果実が美しく、同じように庭に植えられ、また、同じように正月の縁起物とされる常緑の小低木ですが、両者には近縁関係はありません。

センリョウはセンリョウ科(Chloranthaceae)、マンリョウはサクラソウ科(Primulaceae)です。

マンリョウの属するサクラソウ科、って、え? この植物が? と思うような植物がザクザクと入っている科です。例えば、オカトラノオ(Lysimachia clethroides)、シクラメン(Cyclamen persicum)、、、まあ、よく見てみれば、似ているのかな、似ていないのかな。

オカトラノオと、トラノオ一族たち

そんなら、マンリョウの花を見てみましょう。(花で比べればいいんじゃ?、というのが、素人の知恵です。)

花(マンリョウ)
撮影者:KENPEI
撮影日:2006.07.22
オリジナルからの改変、なし

この画像ではわかりにくいですが、このマンリョウの花、サクラソウに似てます? シクラメンは?

センリョウとマンリョウに戻ると、センリョウとマンリョウの差異点については、多くの方が語っていらっしゃいますから、ここでは、見た目ではっきりわかることだけを、念のために、記しておきます。果実が、センリョウは上を向いている、マンリョウは下を向いている。

Ardisia crenata(マンリョウ)
パブリックドメイン

マンリョウの原産地がインドにまで及ぶことを知り、興味深く思いました。それで、世界的な分布を調べてみることにしました。イギリスの王立植物園キュー・ガーデンズのサイトで、以下の地図を見つけました。どうか、ご覧ください。地図は、画面を横に拡大すると、全世界が見えます。

緑の部分が原産地、赤紫っぽい色の部分が導入され野生化している地域です。アメリカのフロリダ州やテキサス州、オーストラリアのクイーンズランド州で野生化していることがわかります。なぜそれらの地に導入されたのかは、わたしにはわかりません。

Ardisia crenata subsp. crenata(地図)

さて、この導入地のひとつ、フロリダ州には法律があって、マンリョウを栽培してはいけない、と熱っぽく語っています。繁殖しまくって、他の植物が駆逐されてしまい、生態系を乱しているのだそうです。外来種って、どこも同じですね。

以下は、フロリダ大学の博物館のサイトからの啓蒙記事です。5点を挙げています。

Five Facts about coral ardisia in Florida(英文+画像)

1.美しい厄介者である
2.元は、東南アジアから園芸植物として導入された
3.(英語では)名称がたくさんある
4.鳥が拡散を媒介する、生命力旺盛である
5.フロリダでは栽培するのは違法である

木立したマンリョウ
撮影者:Forest & Kim Starr
撮影日:1998.05.29
オリジナルからの改変、なし

上の画像では、赤い果実が前年より残ったままで、すでにツボミがついているようです。

次のリンク先の記事には
> 花の後にできる果実は(中略)でき始めは開花期と重なり、
> 花と実を同時に見るこができるが緑色。
と書かれていました。

庭木図鑑
植木ペディア
マンリョウ/まんりょう/万両

さらには、以下の記事などもどうぞ。

BOTANICA
マンリョウの育て方!見映えのよい樹形を長く保つ管理のポイント | 植物図鑑

コメント