Caravan - The Dog, The Dog, He's At It Again [1973] (Promotional Film)
連休ということで、好きなバンドを特集します。
カンタベリーロックの人気者、キャラバンです。
キャラバンの説明に入る前に、日本でのプログレ人気について考えてみた。
ここ日本では、イギリスの4大プログレバンドというのが有名だ。
もちろん、キング・クリムゾン、EL&P、イエス、ピンク・フロイドである。
彼らの特徴はアメリカのヒットチャートで成功したことが大きい。
ビルボードやキャッシュボックス等のカウントダウンをチェックしていた人ならちゃんと押さえている。
あと、日本人好きな要素があった。サウンドが派手であった。クリムゾン、EL&P、イエスは歌詞がわからなくても引き込まれるものがあった。
ピンク・フロイドはサウンド的にはそれほどポップな感じやサウンドの派手さはなかったけど、レコード会社の売り方がうまかったかな。
やっぱり「原子心母」というタイトルや、東芝の石坂氏の「ピンク・フロイドの道はプログレッシブ・ロックの道」なんていうキャッチ・コピーがよかった。
ということで、この4つのバンドはクラシック・ロック・ファンには絶対的存在である。
で、前述の4大バンドに加えて5大バンドとなると、ジェネシスが入ってくる。が、私の知る限り、4大バンドほど人気はなかった。
簡単にいえば、わかりにくいサウンドだったからだ。一聴した時の、派手さがイマイチ不足していた。難しいことをやってるし、歌詞や演劇的構成はすごいんだけ
ど・・・。ツウ好みだったかな。
どちらかというと、6番手であったキャメルの方が一般の洋楽ファンに親しまれた。単純にメロディが日本人好きの泣きのメロディだからである。
ジェネシスは美しいメロディがあっても、泣き落とし哀愁のメロディがない。このへんは微妙な感じですね。
ジェネシスは70年代後半にポップに変化して、アメリカで大成功する。日本でも一般の洋楽ファンにはこのころの方が親しみやすかったりして・・・。
ツウとしては、ピーター・ガブリエルがいたころのサウンドが最高だったと思うけど。
前置きは長くなったけど、一般の洋楽ファンにはあまり認知されていないものの、キャメル同様メロディの良さで、一部のマニアに熱狂的な人気を得て、
いまだに日本でのライブが行われるバンドが、「キャラバン」!。泣きのメロディのキャメルと違い、甘いポップなメロディが心を捉える。
彼らは出身地がカンタベリー地方なので、カンタベリーロックと呼ばれる。
さらに説明するならば、カンタベリー地方で生まれたワイルド・フラワーズというバンドが源となっている。
ワイルド・フラワーズと関連したバンドはカンタベリー・ロック・バンドってこと。このキャラバンとソフト・マシーンがその中で最も有名。
ソフト・マシーンはかなりジャズやフージョンよりなので異質だけど・・・。
キャメルに関しては、正統派?のプログレファンからは、ポップ過ぎるから、プログレじゃない!なんて厳しい声も聴かれるが、ポップ度が高かったのは、
In the Land of Grey and Pink(グレイとピンクの地)(1971年)、For Girls Who Grow Plump in the Night(夜ごと太る女のために)(1973年)、
Cunning Stunts(ロッキン・コンチェルト)(1975年)の3枚の作品ではないかと思われる(全部聴いていないのでこういう説明になってしまいます。すみません。
でも、In the Land of Grey and Pink(1971年) とCunning Stunts(1975年) はかなり聴きやすく、メロディが秀逸です。)。
そして、ポップなこの3枚もアルバムを通して聴くと、単なるロックとは呼べない演奏をしていて、やはりプログレだなあって実感する。
まあ、当時はプログレというより、サイケデリック・ロックとかジャズ・ロックという名称の方が似合っていたかも。
さて、キャラバン特集の1曲目は「夜ごと太る女のために」というすごいタイトルのアルバムの中に収録されていた曲。
ちょっと聴くと、「60年代風?」「ビートルズ風?」と思うかもしれない。でも、聴きこむとやっぱり違う。まあ、どう違うかって説明しにくいんだけど。
アルバム全体を通して聴いてもらうと、ジャズ的なインプロビゼーションを感じさせる部分が多々あり、ジャズっぽいかなあってわかるかも。
キャメルとの人的交流もあり、似たところはあると思います。キャメル好きなら上記3枚のアルバムをチェックしてみてほしいかな。