春日山中の国有林の中に有る国指定史跡です 撮影日;2015.05.23
東西二つの石窟があり、覆屋を架けて保存されています
東窟は、第一洞(東)と第二洞(西)とに分かれ、合計14体の石仏が彫られています
西窟は、間口二間(3.6m)奥行き七尺(2m)高さ七尺(2m)
凝灰岩層を深く削りくぼめて造られた石窟で、かなり崩壊しています
平安時代後期の保元2年(1157)の墨書銘が残っているそうです
わが国では珍しい本格的な石窟仏です
東窟は中央に層塔としてつくられたと思われる石柱があり、塔身にあたる部分には四仏が彫られています
東窟の西壁には、頭光背を背負った厚肉彫りの像高90㎝ほどの地蔵立像が4体残っています
(もとは六地蔵だったようです)
他に、破損が大きいですが、観音菩薩と思われる像が3体(もとは六観音)と天部像が2体残っています
西窟は金剛界の五智如来座像が彫られています
左端の阿弥陀如来と思われる一体と多聞天のみがほぼ完全な姿で残っています
阿弥陀如来は像高94㎝で、穏やかな満月相で、なだらかな丸みを持った肩や流麗な衣紋など典型的な藤原様式となっています
多聞天は顔の部分は痛んでいますが、火焔光背を背負い邪鬼を踏み、右手に矛、左手に宝塔を捧げ持つ姿が鮮やかに残っています
★所在地;奈良市春日野町
★交通;近鉄奈良駅より バスで破石町下車 徒歩50分
★駐車場;有りません
★見学;自由
★問合せ;