KFCブログ~Growing old is not shame~

格闘芸術家集団KFCブログ、満を持して復活です。
明るく楽しく真剣に格闘技に取り組む社会人の格闘倶楽部です。

【タイ武者修行 五日目】〜地獄からの生還〜

2017-07-25 18:12:16 | スポーツ
日本の皆様、こんばんは。
2日ほどブログの更新をせずすみません。
家族が心配するので書こうにも書けずにおりました。
本日私は地獄の淵から生還してまいりました。
写真は私の友人でタクーンの息子さんのアーム。
今日の私の記念すべき生還記念日が偶然彼の26歳の誕生日だったのでめでたいので撮りました。

実は日曜日の朝、意を決して走りに行ったのですがすぐにあの原因不明の背中(胸)の激痛と呼吸困難に襲われあえなくダウン。
絶望的な気持ちになってホテルに戻り、親友ボールに再び病院に連れて行ってもらったところ、原因がわからないままもうムエタイは無理だとついにドクターストップがかかりました。
頭の中が真っ白になりながらそのままジムへ行き、タクーン会長とクチェン先生に事情を説明し、無念のリタイアを伝えました。
「ゆっくり休め。お前はもう若くない。また来い。」と優しい声を掛けてもらいましたが、それがかえって辛かったです。

思えば食中毒症状を発症した木曜から月曜までの5日間、本当に毎日不安で一杯で、朝走りに行ってはやっぱりダメかジムに行ってもやっぱりダメかの連続。
特に日曜月曜は、最低限の食事以外はずっとベッドの上でぶり返す発熱と原因不明の身体の痛みにひたすら耐えてました。
本当なら今回は最大11日間稽古ができたはずでした。
格闘生活30周年の集大成にと久々に身体を本気で絞る決意をし限られた時間の中でトレーニングを積み、理解ある職場にも2週間休みをいただき、家族と離れて単身並々ならぬ意気込みで来たつもりでした。
“それがなんでこんなことになったのだろう。
今までタイで食中毒になったことなんて一度もなかったのに、なぜよりによって今回なの?”
と動けないベットで悔やみました。
これはもう今回完全リタイアかも知れないなと覚悟もしました。
でもその一方で、
“まだ日程はあるじゃないか。
水をたくさん飲んでとにかく休んで、今できることをとにかくやってみよう。”
という気持ちが私の中に生まれてきました。
今場所で最多勝と優勝を成し得た、偉大なる横綱白鵬のメンタル面について書かれた本を持参していたので、動けないベッドの中で聖書のように何度も読み返しました。

今朝起きると何か身体の力が戻ってきたような感じがしました。
ボールが心配そうに見送る中、再び走りに行き、またあの悪夢ような痛みに襲われ、一周2kmを走ったところで一度ホテルに戻りました。
ボールは
「休まなきゃダメだよ。もう1日休みなよ。」
と当然の意見を言ってくれました。
私は戻りかけましたがやっぱり納得がいかず、もう一度走りに行きました。
するとさっきよりスムーズに走れるような気がしました。
あと10m、あと20mと痛みを堪えて走るうちに、私の体内の防衛装置が作動したのか痛みがだんだん和らいで追加で6km走ることができました。
それから日中は休息とストレッチに費やし
、ついにジムへ復帰しました。
フルパワーの60%〜70%くらいでしたが、完遂することができました。
繊細なオジサンの身体は明日どうなるかわかりません。
でも、今日だけは言わせてください。
男勝又、現地の病に打ち克ちました!押忍!

《ロードワーク》

8km

《夜練》

シャドーボクシング 2R

ミット 4R

サンドバッグ 10R

※1R=3min30sec

【タイ武者修行 四日目】〜ジッと我慢の格闘オジサン〜

2017-07-22 18:00:22 | スポーツ
日本の皆様、こんばんは。
最近、泣き言日記みたいで申し訳ありません。
ただ、細々と10年以上私自身のために書いて来たこのブログだけは、記憶の限り真実のみ書き留めておきたいのです。
(今回特に長文なので読み飛ばしてください。)

私は意を決して本日の夜練に参加しました。
日中はしっかり食事と休息を取り、処方通りに薬も飲みました。
良くなると言い聞かせながら横になり、時間前にはしっかりストレッチとヨガもやりました。
体力はかなり戻りつつあるように感じました。
もう普通にしていればなんともない感じです。
お医者さんは三日経って治らなかったらまた来いとおっしゃってましたが、私は服薬からわずか一日で回復したのだと自分の弱いんだか強いんだかわからない身体に(笑)感謝しました。
ジムへの道すがら、何度も深呼吸して俺ならできると言い聞かせました。
恐る恐るシャドーをします。
一昨日とは明らかに違い、胃が痛みません。
グローブをつけ、一番小さなスイカ大のパンチングバッグを叩くと衝撃でどうこうはもうなくなっていました。
ただ、だんだんと両方の背中(肺?)に痛みが出てきて、息が苦しくなりました。
それでも頑張ってラウンドを重ね、写真の馴染みのトレーナー、ワンがミットを構えてくれました。
最初は良かったのですが、もう30秒も経たないうちにあの両肺の痛みが襲ってきて、その度に前屈みになってゼェゼェと休みながら、辛うじて拳足を繰り出しました。
どんどん酷くなります。
なんなんだこれは!?
初めての経験でした。

“お前どうしたんだ!?”

数日前とは全く変わり果てた私を見るワンの表情はそう言ってるようでした。
不朽の名作漫画にして私のバイブル『あしたのジョー』的に言えば、パンチドランカーになってしまった南米の黒豹、カーロス・リベラの閃光のようなジャブが見る影もなくヘロヘロになってしまったあのシーンでしょうか。(マニアックご容赦。笑いを入れないとやってられないのであしからず。笑)
インターバルに水を飲む元気もなく、2R目はもっとボロボロで、気合い入れのために何度も叫び、何度も膝をつき休み、ゴングとともに崩れ落ちました。

“俺の打撃はこんなもんじゃねえ。ワン、お前は良く知ってんだろ?”

目でそう訴えるのが精一杯でした。
木っ端微塵とはこのことです。
もうどうやっても身体が動きませんでした。
それからはやることがないので目で学習しようとしました。
軽快に打撃を繰り出す他の選手達の稽古を見ながら悔しくて泣きそうになりました。
過去最低レベルのパフォーマンスでした。

ただ、今日私にはここに来る必要と成果がありました。
それは今の身体の状態でどれくらい耐えられるかを身を以て思い知ったことです。
やはりまともに走れない状態でムエタイなんてできるわけがなかったのです。
日本でだって毎朝のように出勤前に山手通りを坂道ダッシュしながら走り、週末にはKFCで道場生達と稽古を重ねてきた私です。
それを2日後の来週月曜に知るより、今知っておいて助かりました。
明日一日、ジムの定休日で気兼ねなく休めるというチャンスがあるからです。
出だし好調から一転、日本でのパフォーマンスの10%以下になってしまった赤子のような今現在の私。
昨年、痛風発作が出た時は足と身体を切り離すイメージと痛みを重ねて慣れるという『グラップラー刃牙』並の荒業で(笑)最後までやりきった私です。
ただ、今回は呼吸困難が伴う体内の痛みなので我慢してどうなるものでもありません。
どれほど【タイ武者修行 四日目】〜復活!!〜とか勇ましく書きたかったことか、、、。
昨年、闘いの神様に根性を見せたつもりでしたが、もっと見せてみろということかも知れません。
私がどれほど格闘技が好きなのか。

今日はひたすら休み(ここんところ禁酒してるので本当は誰かと無性に飲みたいですが。笑)、明日、休みですがまともに走れるかどうかロードワークに行ってみます。
結果がどうあろうと受け止めます。
あとは身体に抗わず、ただただ回復を待ちます。
帰国するまでにただ一日でも良いので、タイのみんなにこの一年日本でやってきたことを少しでも見せたいです。
今回はかなり厄介ですが、来週もあるのでまだまだ諦めてません。
あとは調子が上がるだけ。(のはず。笑)
体調さえ万全となれば本来の力を解き放つことができます。
これも天が与えたもうた何かの経験です。
人事を尽くします。押忍!
さあ、少しはタイを楽しもう。

《ロードワーク》

4km

《夜練》

シャドーボクシング 2R

ミット 2R

サンドバッグ 6R



※1R=3min30sec

リハビリ

2017-07-22 09:36:36 | スポーツ
日本の皆様、こんにちは。
私は昨日処方された4種類の薬を飲み、ご飯を食べる以外はほぼ部屋で寝ておりました。
日本から持参した本を読んでみたり、スマホでニュースをチェックしたり、タイで初めて観るNHKワールドをぼんやり眺めたり、こんなに部屋でゆっくりするのは日本でもないことです。
いつ回復するかという不安を抱えながらも、ただただ復活を信じてじっと休むのみ。
そうしていると普段考えないようなことが頭に浮かびます。
めったに見ない夢を見て、その内容をすっかり忘れて、今朝早くに目覚めました。
体温計を見ると、昨日までどんどん上昇し38度以上あった熱も下がり、胃の痛みもほぼありません。
その場でジャンプしても胃が痛みません。
やった!
タイの薬は強力です。
体重計に乗ると2kgも重くなっていました。
私はストレッチとヨガを済ませ、シューズを履いて外へ出ました。
走ってみると、胃は大丈夫なものの、痛みが転移したのか右胸と右の背中が痛みました。
大きく息ができません。
とにかくゆっくり走りました。
24時間テレビのタレントランナーくらいゆっくりと、いつもの倍以上の時間をかけて4km走りました。
途中、いつも木の枝を鞭のように持って我々に檄を飛ばすクチェン先生に会いました。
事情を知っているクチェン先生に、まだ少し胸や背中が痛むと伝えました。

「無理するな。歩け。」
「大丈夫です。できれば午後の練習から戻りたいです。」
「OKOK.」

とにかく何もできなかった昨日と比べたら大進歩です。
午後にはもっとよくなっていることを信じます。

格闘オジサン、食中毒になる

2017-07-21 12:06:22 | スポーツ

日本の皆様、こんにちは。
今朝、熱を計ると平熱に戻っており、胃の具合も良くなったような気がしたので、ヨガ、ストレッチをやってから軽く走ろうと外へ出ました。
ところが、走り出そうとするとすぐにまたあの胃の激痛に襲われました。
ああ、もうこれはダメだとホテルに戻り、ボールに体調が良くないと伝えると、すぐにウエッタニー病院という近所の大きな病院にバイクで連れて行ってくれ、私の代わりに病状を説明してくれました。
とても綺麗で近代的な病院で、外国人用に英語対応できるフロアに通されました。
優しそうな同い年くらいの先生に診察を受けました。
「君、最近魚介類生で食べなかった?おそらく君の胃にバクテリアがいる。薬で殺さなきゃ。」
「、、、、、!」
思い当たる節は一つだけ。
2日前の晩ご飯に、食堂のマスターに薦められるがままにヤムウンセンという生のシーフードを食べました。

そう、私は食中毒になったようです。
なんてこったと思いつつも、病院で診察を受け原因がわかっただけで少し安心しました。
処方された薬を飲めば2〜3日で治るだろうとのこと。
限られた修行期間では痛いですが、仕方がありません。
タイの医療は世界的にも進んでいるそうですが(中東からたくさんの人が治療目的で来ています。)日本と違い医療保険制度がないので医療費はバカ高いです。
この日も1万円以上取られましたが、身体の安全には変えられず。

ボールにヤムウンセンで食中毒になったらしいと伝えると、
「Naoki,熱を加えてない料理食べるなんてとんでもないよ。」
と怒られました。
おっしゃるとおりと反省しきりでした。
その後、馴染みの屋台に連れて行ってくれ、カウトンムーサップという辛くない雑炊を食べさせてくれました。


それからジムにも連れて行ってくれ、みんなに私の状況を説明して、少し休むと伝えてくれました。

私はタイで毎日みんなに助けられています。
必ず復活します。

突然の挫折と旧友との再会

2017-07-20 18:15:38 | スポーツ

日本の皆様、こんばんは。
私は昨日の好調のまま、今朝は6km走りました。
朝ごはんのお粥→休憩→タイマッサージ→昼御飯→休憩と夜練に向けて順調に過ごしておりました。
いざ、稽古に行こうとすると、少し胃が張っているのを感じました。
お昼は2時間以上前に食べ終わっています。
とにかく時間なのでジムに向かい、シャドーボクシングを始めると明らかにミゾオチあたりに異変を感じました。
痛むのです。
まあ、気のせいだろうと思ってグローブを着け、ウォーミングアップにサンドバッグを叩いた瞬間、打撃の衝撃がそのまま私のミゾオチ(胃袋)に堪え難い痛みとなって伝わって来ました。
一度グローブを外してストレッチをしたり呼吸法を試みてみましたが焼け石に水。
動くと痛むのでは何もできません。
サンドバッグ叩く度に強烈なボディブローがミゾオチに直撃するようです。
去年、あの痛風の痛みを克復し最後まで耐え切った私の根性も、内部から破壊されるような痛みにはなす術もなく、、、。
今回初、無縁のリタイアとなりました。
本当に悔しい。
いろんな人に助けてもらってここに来させてもらっているのに、ムエタイだけをやりに来たのになんてザマだ。
毎日毎日を慎重に、怪我や身体の歪みに細心の注意を払って来たはずなのに、毎日マッサージして正露丸もヨーグルトも取り、毎朝体重を計って食事も食べ過ぎないようにしてたつもりなのに、オジサンの身体は本当に面倒くさいし腹が立ちます。
なんて脆いんだろう、、、。

ただ、ジムに行ったからこそ素晴らしい再会がありました。
14年前、初めてここに迷い込んだ時、私の世話係をしてくれた旧友、パンペットが結婚して住んでいるイギリスから一時帰国してひょっこりジムに顔を出したのです。
懐かしさのあまりお互い絶叫し、抱き合い、握手をしました。
イギリスの奥さん貰って現地でムエタイを教えているパンペット。
明日の朝帰るのですぐここを発つとのこと。
間違いなく、タイで最初の友達で、若かった我々は毎日稽古後にカラオケに行ったりクラブで踊ったり、さんざん遊びに繰り出したものです。
稽古はできなかったけど、すごい確率で彼とほんの一瞬でも再会できたことは一生の思い出になりました。
パンペット、お互い歳をとったけどまだまだ頑張ろうや。
俺も必ず治して取り返す。